Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!

神殿にて

各話表紙:嘘つき聖女 嘘つき聖女~

「ニーナはあったかいわね」

 自分の小さな妹をそっと胸に抱き、アシャンは頬を擦り寄せた。

「アシャンおねえちゃんも、すごくあったかいよ! おっぱいもあったかいよ!」「もう、この子ったら」

 自分の胸にすり寄るニーナを、アシャンはぎゅっと抱きしめた。

(こうしていると本当にあったかい……子どもって本当に体温が高いわね)

 抱きしめたニーナの背中を、いい子いい子と撫でていると、なぜかどんどん重くなっていく。

 はっとしてニーナの背中に注目すると、たくさんの悪霊がくっついていた。

「嫌っ! 早くニーナから離れて! どっかいって!」
「おねえ、ちゃ……」

 妹のニーナはその重みで抱いていられなくなり、地面に下ろすしかなくなった。

 しかし、なおも重さを増したのか、そのままニーナは地中に埋まっていく。

「ダメ! 待って! ニーナ!」

 小さな妹を引き上げようと、アシャンは必死に手を伸ばした。

「ニーナっ! ……あれ?」

 視線の先には天井に向けて伸ばされた自分の腕が見える。

 どうやら自分は横たわっているらしい。

「あ……なんだ……夢」

 この見慣れない天井は、昨日ダリルにつれられて来た彼の家だ。

 そのことを思い出し、さっき見たものが改めて夢だとわかると、アシャンはほっと安堵の息を吐いた。

 嫌な目覚め方だったが、体は十分休めたようで軽い感じだ。

 しかし、どうにも胸のあたりに違和感を感じる。

 それでアシャンが視線を天井から胸元に移すと、そこには綺麗な顔で寝息を立てているダリルの姿があった。

 なぜこうなったのかは不明だが、要するにアシャンの胸を枕のようにしている。

「な、な、なんで!?」

 慣れない出来事に挙動不審になりつつ、アシャンは頭が真っ白になった。

 心臓が御者を失った馬車の馬のように激しく脈打ち、呼吸が速くなる。

 瞬時に顔が熱くなり、アシャンはどうしたらいいのかわからない。

 それほどに動揺している。

 アシャンがなにもできず固まっていると、位置を正すようにダリルが頭を横にずらした。

 ダリルの白い毛先が服で隠れていない部分を掠め、アシャンはビクッと体を強張らせた。

 アシャン自体にそのつもりはなかったが、体が勝手に反応してしまったのだ。

 服越しにダリルの体温が胸に伝わってきて、その熱にアシャンはなぜかドキドキしてしまう。

(やだ……恥ずかしい。どうしてこんなことに……)

「胸がものすごい勢いで早鐘を打ってますね。大丈夫ですか?」
「お、起きてたの!?」

 不意にダリルの声が聞こえ、アシャンは驚いた。

「今、目覚めました。おはようございます、アシャン」

 こちらまでつられて微笑んでしまうような笑みで、ダリルは挨拶をした。

「おはよう……じゃなくて! 早くどいて……っ」
「その必要はありません。あなたには私に慣れていただかなくてはなりませんし」

 胸に頭を置いたまま、ダリルは悪びれた様子もなくアシャンを見上げてきた。

「で、でも……っ。恥ずかしい、から……お願い」

 あまりの恥ずかしさに、アシャンの瞳が涙で潤む。

「わかりました」

 アシャンはホッとした。しかし、それはダリルの次の発言で取り消される。

「あなたがおはようのキスをしてくれたら、ここをどいてあげます」
「う、わ、わかったわ……」
(おはようのキスなら、おでこにチュってするだけだし……)

 少しだけ上体を起こすと、アシャンはダリルの額に触れるだけのキスをした。
 しかしダリルは微塵も動く気配がない。

「ダリル、どいて……」

「どきません。こんな子供だましのキスでは、少しも条件を満たしていません。私が手本を見せて差し上げます」

「え?」

 とアシャンが口にしたときには、すでにお互いの口が重なり合っていた。

 気づいたときには咥内をダリルの熱い舌が這い回っていた。

 びっくりして逃げようとすると、きつく舌を絡められ軽く歯を立てられた。

「んんぅ……っ、ん……」

 

3+
↑読了ついでにポチッと(*´ω`*)桜猫にちゅ~るが贈られます。
↑読了ついでにポチッと(*´ω`*)桜猫にちゅ~るが贈られます。
嘘つき聖女~
~桜猫*日和~