★2/15:雑記更新 ・「嘘つき聖女候補~」と「座学の女王さま~」をメインに更新中。

01*王子とメイド

表紙:各話


 あるところに、スターフィールドという国がありました。

 その国には王様と二人の妃と三人の王子がいました。

 しかし、王様は第一王子のことで頭を悩ませていました。

 第一王子は、時期国王としての資質は十分ありながら、巨乳の女好きだったのです。

 *

「そういえば今日新しいメイドが来るといっていたな」
「はい殿下。まもなく到着するかと」

 主の問いに答えたのは側近のメルレインだ。

 彼は王子の幼馴染で家族同然に育った。

 そして国王と同じく、常々、この王子の女好きをどうにかできないものかと考えていた。

 この王子――ラウルは頭はいいし王としての資質も悪くないのだが、どうにも女遊びが過ぎるのだ。

 休日に彼がラウルの屋敷をふと訪れると複数の女たちとすれ違うことはざらだ。

 遊びが過ぎて王子としての業務に支障をきたすことも日常化している。

 コッコッコッとリズムの良い足音が二人の耳に入る。続けて三回扉をノックする音がして、重厚な扉がギィと開く。

 するとそこには、ビン底眼鏡をかけた三つ編みの女性がいた。

 少女というには成熟しており熟女というには若い。

 年の頃は二十代半ばかと思われる。

 雪のように白い肌に深淵を溶かし込んだような漆黒の髪をしている。

 その身にまとう空気は凛としているが、同じ年頃の女性とは一味違う。

 屋敷の謁見の間代わりの一室で、彼女は二人の下へ歩みを進め、ある程度の距離をもって足を止める。

 そしてメイドらしくメイドドレスを摘んで一礼した。

「初めまして、殿下。本日よりこちらのメイドとして殿下の身の回りのお世話をさせていただきます」

 優雅な一礼のあと、顔をあげた彼女のビン底眼鏡の奥でギラリと瞳が光る。

 王子は彼女を上から下まで一瞥し、こう言い放った。

「お前が新しいメイドか。フン、貧相な胸だ。女ですらないな、帰れ」
「おい、ラウル……」

 王子の暴言に思わず嗜めるような声がメルレインの口をついて出る。

「メルレイン様、お構いなく。わたくしとしても殿下のご希望通り退場したいところですが、依頼主との約束を違えるわけには参りませんので……」

 ずり落ちてくる眼鏡を人差し指と中指であげながらメイドは言った。

「ならとっとと帰れ。貧乳などに興味は無い」

 しっしとばかりに王子は手を振った。

「お言葉ですが、殿下。わたくしが一度受けた依頼を取り消すことはございません」
「貴様、メイドの分際でこの俺に口答えする気か」
「そう取っていただいても結構ですが、わたくしはただ依頼をこなすだけでございます」

 今まで出会った女性とは違い、喧嘩を売っているのか売っていないのかもはっきりしない。

 面倒臭そうな女だ、ここはひとつ嫌がらせをして早々にご退場願おう。

 そう思ったラウルは、おもむろに彼女の貧相な胸に手を伸ばす。

 このまま服を引き裂いてやる。そうすれば尻尾をまいて帰るだろう。

 パシッ。

 乾いた音とかすかな痛みを伸ばした手にラウルは感じた。


‥……‥**◆**‥……‥

お読みいただきありがとうございます。今回もゆるっとふわっと楽しんでいただければ幸いです。
ラウル(王子)とジェシカのやり取りを、生ぬるく見守ってやってください(笑)

↑読了ついでにポチッと(*´ω`*)桜猫にちゅ~るが贈られます。
↑読了ついでにポチッと(*´ω`*)桜猫にちゅ~るが贈られます。
王子は巨乳好き~
~桜猫*日和~