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座学の女王様3

各話表紙:座学 無垢で落ちこぼれな~

「……お前は、筆記試験は常にトップで言うことはない……しかし……」

「わたしの実技に関して問題があることは、十分理解しています。……お父さまにはいつも肩身の狭い思いをさせて、ごめんなさい……」

 アンネリーゼはこれまで自分が魔法の実技試験において、一度も成功した試しがないことをとても心苦しく思っている。

 決して授業や勉強をさぼっていたわけではない。

 勉強量なら誰にも負けない自信さえある。

 だが、幾度となく練習してもアンネリーゼの魔法が発動することはなかったのである。

 魔法が大好きなアンネリーゼにとって、それはとても辛いことだ。

 魔力の証である青い髪を持ちながら、魔法を使うことができない。

 そのことがアンネリーゼの心を鉛のように重くしている。

 ――自分は、欠陥品で価値がないものだと……。

「先日もストレガー公爵がお見えになっていたと、お聞きしています。……また、わたしのことでお父さまを不快な気持ちにさせてしまったのかと思うと――」

「……ストレガー公爵とは、昔、共に魔法を学んだ仲間だったが、私が首位であいつは常に二位だった。そのことで未だに私のことをやっかんでおるのだ。それだけならまだよい。腹立たしいのは、可愛いお前のことを無能のようにこき下ろしてくることだ」

 このストレガー公爵というのは宮廷魔術師で、グリムフェザー城の魔術師たちを取りまとめている実力者だ。

 実力は申し分ないが、やや執念深く神経質で蛇のような陰湿さを思わせる風貌だ。

 悪人ではないが細身の体に痩せこけた頬、常に黒衣をまとっていることから一部では死神と呼ばれている。

「ごめんなさい……わたしがもっと、ちゃんと魔法を使いこなせていれば……」

 愛娘のあまりにも気の毒な様子に心が痛んだのだろう、学院長は悲痛な面持ちになった。

「お前を責めているのではない。つまり、私が言いたいのはだな、いつまでも魔法が使えないままではいられないだろう、ということだ」

「……はい、お父さま」

 いつもなら巧くごまかせるが、今は暗く沈んだ声を明るくすることができない。

 それはずっと、アンネリーゼ自身考え続けていることだからだ。

「このまま魔法が使えなければ、わたしは退学になるのでしょうか……?」

 アンネリーゼは泣きそうになるのを必死にこらえながら問うた。

「馬鹿を言うな。そんなことはさせない……そのために、お前をここに呼んだのだ」
「…………え?」

 喉から出たアンネリーゼの声は消え入りそうで掠れていた。

(お父さまは……魔法が使えないわたしを、ここから追い出すつもりではない、と?)

 大好きな魔法を学び極める機会が断たれたわけではないとわかり、アンネリーゼは心底ほっとした。

「ここから北西に位置する『帰らずの森』……そこに賢者がいることは、お前も知っているだろう」

 こくりとアンネリーゼは頷く。

「彼なら、お前が魔法を使えるような智慧を授けてくれるのではないかと思ってな……」

「わたし、行きますっ! 少しでも希望があるのなら、賢者に会って魔法が使えるようになりたいです!」

(行ってもなんの成果も得られないかもしれない。それでも……些細でもいい、喉から手が出るほど情報が欲しい……!)

「そうか、行ってくれるか……しかし、その賢者は少しばかり変わり者だ。紹介状はすでに用意してあるが、お前を一人で行かせるのは……あまり気が進まん。人間嫌いとはいえ奴も男だからな」

「人間嫌い、ですか。それなら、わたしにとっては好都合です……男性は苦手ですから」
「……そうだといいがな。それで、いつここを発つ?」
「今から準備してそのまま行ってもいいですか?」

 魔法が絡むとアンネリーゼは、かなり貪欲で積極的だ。

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無垢で落ちこぼれな~
~桜猫*日和~