Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!

王都へ4

魔導王:各話表紙 贄の魔導王は~

「ご、ごそんがん……」

 いきなり前に並んでいる貴族の令嬢と思わしき美しい女性に話しかけられて、ノエリアは焦る。

「あはは。恥ずかしながらド田舎に住んでるもんで、拝見したことがございません」

「まあ、そうでしたの。でもよかったわね。一生に一度でも陛下を間近で拝めるなんて早々ありませんもの」

 と若い女性は上品に笑う。

 ふわふわに波打つ金の髪に、ブルーサファイアのように青い瞳、そして華奢で品のある風貌。

 淡いピンクのドレスがとてもよく似合っている。良家の娘なのだろう。

「あなた、お姫さまみたい……」

 素直にそう思ったのだ。品があって美しくて可憐だ。自分とは全然違う。

(きっと王様にはこんな可憐なお姫さまみたいな人が、合ってるんだわ)

「恥ずかしいわ、そんな面と向かって言われたの初めてよ……」

 薔薇色に頬を染め恥じ入る仕草も愛らしい。

「ふふ、ごめんなさい。だって本当にそう思ったんだもの。あなたなら王様とお似合いだと思うわ」

 微笑み返すと、彼女は照れくさそうに「ありがとう」と呟いた。

 そうこうするうちに、列は更に前へ進んでいく。

 そして、とうとう城門の中に入った。だがまだ先は長い。

 どうやらこの列は謁見の間まで続いているらしい。

「申し訳ありませんが、お嬢様方、いつまでもこちらに居られると後が詰まってしまう。名残惜しいのはわかるがご退場願えないものかな?」

 そんな声が聞こえてきた。ノエリアが声の方に目を向けると、若い騎士がなかなか帰ろうとしない娘たちを、なんとか宥めて家に帰そうとしている。

 人の良さそうな優しげな金髪碧眼の、絵に描いたような騎士だ。

「せめて今一度、陛下のご尊顔を拝見したいのです」
「ちっ、頭の悪い女だな。邪魔だからとっとと帰れっつってんだよ!」

(まあ、こっちの騎士は乱暴ね)

「こら、女性に対し乱暴な物言いをするんじゃない……はあ」

 金髪の騎士は、乱暴な騎士の黒い髪をぐしゃぐしゃとかき回した。

「なにすんだよ、髪がぐちゃぐちゃじゃねえか」

「はいはい。君はちょっと訓練所に行ってなさい。新しい練習台が入ってきたらしい、見たいだろ?」

「そうなのか? じゃ、行ってくる」

 あっさりと黒髪の騎士は行ってしまった。

「騎士の人たちも大変ですね」

 ノエリアは思わず声をかけてしまった。

「我々を気遣ってくださり感謝します。我々も驚いているんですよ。まさか、あの陛下が花嫁候補を募るとは……」

「そうですね、わたしもびっくりしました。整理番号四桁なんですもの。しかもこの数字、とっても縁起が悪いと思いません?」

 手に持った整理券を騎士によく見えるように、目の位置まで掲げる。

「ふふ、確かにこれはあまり嬉しくない数字ですね」

 騎士はそれだけのことなのに、やけに楽しそうに笑っている。

「あの、なにか?」
「いえ、これは失礼。あなたは他の候補者みたいにがっついていないんだな、と思って」

 言われて初めてノエリアは気づいた。

 よく周りの娘たちを観察してみると、皆なにがなんでも王の妃になってやる! という気迫がにじみ出ていた。

「わたしは、村のみんなに半ば強制的に追い出されたようなものですから」
「追い出された?」

 騎士は優しげな青い瞳を丸くする。

 

1+
↑読了ついでにポチッと(*´ω`*)桜猫にちゅ~るが贈られます。
↑読了ついでにポチッと(*´ω`*)桜猫にちゅ~るが贈られます。
贄の魔導王は~
~桜猫*日和~