★2/15:雑記更新 ・「嘘つき聖女候補~」と「座学の女王さま~」をメインに更新中。

「好き」は魔法の呪文7

各話:表紙

「惚れ直した?」
「ああ。私が惚れたのはこんないい男だったんだな……」
「ゲス神父って呼ばれてたけどな」

 ニヤリと彼は意地悪く笑う。

「いきなりあんなことをされたら、誰だって……」
「オレもその前にアンタに予告なくキスされたけどな」
「そのことは、ちゃんと謝っただろう……」

 少し申し訳なさそうにマリアは顔を背ける。

「悪い、ちょっと意地悪が過ぎたな。そりゃあビックリしたが、嫌じゃなかったし……あのときのキスはエロくて実に良かった」

 そう言ってミゲルはくくっと笑った。

「そうか……」

 当時を思い出し、穴があったら入りたいとマリアは思った。

 いくらサミュエルが嫌だからといって、通りすがりの、しかも神父の唇を奪ってしまったのだ。

 だが今は、偶然通りかかったのがミゲルで本当に良かったと思う。

 ただの普通の人間だったら、サミュエルにあっさりと消されていたかもしれない。

 普通の男は吸血鬼に対抗する術をほぼ持っていないのだから。

 マリアを抱きしめていた腕を緩め、ミゲルはそっと彼女の頬に手のひらを添える。

「なあ、マリア。もう一度言って、オレが好きだって」
「え、もう一度? さ、さっきので充分だろう?」
「いいや、全然足りない。アンタの好きに飢えてるんだ、もっとサービスしてくれよ」

 強請る言葉は甘い囁きとなって、マリアの脳に響いてくる。

 頬に置かれていた手がするりと首筋を撫で、そのまま胸元までたどり着く。

 肌を這うミゲルの熱のこもった手のひらの感触に、体の中から少し収まっていた快感が再び呼び起こされていく。

「んっ、ミゲル……」
「アンタの薔薇の唇で言ってほしい、何度でも何百回でも」

 もう待ちきれないといった様子で、ミゲルの唇がマリアの細い首筋をゆっくりと這っていく。

 肌に触れた唇の先からぽつぽつと情欲の炎を点けられていくようだ。

 熱い唇と吐息が肌にかかるたび、ゾクゾクとした疼きが体を小さく震わせる。

「あ、は……ミゲルが、好き……」
「いいな、感じてる声でそう言われるの」

 顔が見えずとも彼が喜んでいるのが伝わってきて、マリアは羞恥に頬を染めながらも嬉しいと思う。

 慣れた仕草で服を脱がされていくが、それも布越しに愛撫されているようで心地よい。

 マリアが身につけていた深紅のロングコートをベッドの下に投げると、続けてミゲルは神父服の漆黒の長衣を素早く脱いだ。

 長衣の下は白のブラウスを身につけており、胸元までボタンを外す。

 開かれた胸元からちらりと見えるミゲルの胸が目に入り、マリアは気恥ずかしくなる。

 何度も見て触れてきたものだが、綺麗な肉付きを目にするとドキドキしてたまらない。

 彼自身の香りがさらに増して、その色香に頭の芯がくらくらしそうだ。

(ああ……早くあの肌に触れたい。その温もりを直に感じたい。一体いつから私はこんなに欲深くなってしまったのだろう)

 ミゲルの指が、ほんのりと桜色に染まったマリアの柔肌を、首から肩、腕へと滑り落ちていく。

 羽毛のような軽さで撫でられただけなのに、肌の下から愉悦が広がり身を捩ってしまう。

「んっ……」
「敏感だよな、マリアは。オレに触れられるの、そんなに気持ちいい?」

 胸元に顔を埋めるようにして言われると、熱い吐息が肌をくすぐり、それすらも心地よい。

「気持ち良い。だから、もっと……」

 触れてほしい――最後の一言は恥ずかしさのあまり吐息に混ざり、はっきりと言葉にならなかった。

 

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吸血鬼と不良神父~
~桜猫*日和~