★2/15:雑記更新 ・「嘘つき聖女候補~」と「座学の女王さま~」をメインに更新中。

「好き」は魔法の呪文4

各話:表紙

「……いいな、その目。オレを欲しがってるのがよくわかる」
「そう仕向けたくせに、よく言う……」
「まあな」

 言い終わると同時にミゲルの唇がマリアのそれと重なり……そしてすぐに離れた。

「え?」
(なんだこれは。確かにキスはキスだが、子供同士のキスじゃないか)

 一瞬触れただけという、あまりにもあっさりとしたキスにマリアはきょとんとする。

「なあに? もっとして欲しいの、マリアちゃん?」

 それが狙いだとでもいう風に、ミゲルはくすくすと笑う。

「こっ、こんなの子供だましじゃないか……私はもっと濃厚な……」

 言いかけてはっとしてマリアは口を閉ざす。みるみるうちに顔が紅潮し、脈が速くなる。

(思わずとんでもなく恥ずかしいことを、口走るところだった……危ない)

 ほっと安心すると、ミゲルがペロリと唇を舐めてきた。

「もっと素直になれよ。そしたらなんだってしてやるから」

 お互いの唇が触れるか触れないかという、ぎりぎりの距離感でミゲルが囁く。

 囁きながら髪に差し入れられた手が、幾度も愛おしむようにゆっくりと梳くように撫でられ心地よい。

 自分を見つめる彼の瞳が十分に熱を孕んでいるのがわかり、さらにマリアの鼓動が速さを増していく。

 こんな至近距離では聞こえてしまいそうで、恥ずかしくてたまらない。

「基本的にオレはアンタのおねだりには逆らえないし」
「……そ、そんな恥ずかしいこと、できるか……」

 風呂での一件を思い出し、困ったようにマリアはミゲルを見上げる。

「風呂ではできただろ? アンタのわがままをもっと聞かせてくれよ。オレはアンタの本心が知りたいんだ」

 そう言ってミゲルは再度触れるだけのキスをする。

 触れたのはほんの一瞬のことなのに、唇からミゲルの気持ちが熱を通して伝わってくるようだ。

「ほら、言ってみな? オレにどんな風にキスされたい?」

 優しく見つめられ、頬を指の腹でゆっくりと撫でられると、もう駄目だった。

 ついに観念したマリアは、望みを口にする。

「濃厚なキスが、いい……たくさん舌を絡めて、だ……唾液、を……」

 思っていることを口にしているだけなのに、想像以上の羞恥にマリアはますます顔を火照らせ、淡い緑の瞳が潤んでいき、息が乱れるのを抑えられない。

 呼吸を繰り返すたびに豊かな胸がミゲルの広く硬い胸板に押され、服越しでもわかる彼の体温の高さにドキドキとして脈が跳ね上がる。

「ああ、可愛いな……そんなに必死に伝えられると、興奮する」

 嬉しそうに目を細めたミゲルが、マリアの唇に舌を這わせた。

 熱い舌の感触にマリアは少しうっとりしながら、自然と口を開く。

 するとそこから彼の熱い舌がするりと咥内に滑り込んでくる。

 待ちに待ったものが口の中へ入ってきて、マリアは自ら舌を絡めていく。二人の咥内で意思を持った生物のように激しく舌が絡み合う。

 コーヒーに垂らしたミルクのようにお互いの唾液が混ざり合い、くちゅ、と卑猥な水音が立った。

 肉厚の舌を擦り合わされるとその熱のせいか、頭の芯がぼうっとしてくる。

 だけどそれがとても心地よくて、マリアも舌を擦り合わせ、絡め、その甘い唾液を飲み込んでいく。

 食べてしまいたい、ふとそう思った。

(甘いだけじゃなくて、この液体は、この精気は他に例えようがないほど美味だ……。ずっと貪っていたい――大好きな、味だ)

「ん……ふ、んん……」

 角度を変えながら繰り返される口づけに、マリアは両目を閉じてうっとりとしている。

 気づけばミゲルの片手が頭の後ろに回り、咥内の粘膜をねっとりと舐め回されていた。

 初めこそ激しかったが、今はもうお互いの熱や舌の感触をじっくりと味わうキスだ。

 たっぷりと唾液を絡めた舌で愛撫されるとそのまま蕩けてしまいそうだ。

 上顎に舌先をちろちろと這わされながら、耳朶を指の腹でやさしくなぞられると快感の涙が目尻からこぼれた。

 

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吸血鬼と不良神父~
~桜猫*日和~