★2/15:雑記更新 ・「嘘つき聖女候補~」と「座学の女王さま~」をメインに更新中。

「好き」は魔法の呪文2

各話:表紙

 そう言われてマリアは舌を元の位置まで戻した。

 淫らな指は彼女の柔らかな舌の表面をくすぐるように動く。

 口の中に指が一本入っているだけだというのに、マリアは恥ずかしくてしょうがない。

 潤んだ淡い緑の瞳が揺れ、荒くなった熱い吐息が口から漏れた。

「やらしー顔」

 その一言にマリアの羞恥がさらに増す。目尻にたまった涙が今にもこぼれ落ちそうだ。

「オレのすげぇ好きな顔だ。オレが触れるだけでこんな蕩けた顔になって……可愛すぎるだろ」

(こんな恥ずかしくて情けない顔が好きだなんて、こいつは悪趣味だ。よせと言いたいのに指のせいで喋ることができないし、それをわかった上でこんなことをしてるんだ……泣きたい)

「んふうっ……ん……っ」

 それでも必死に快感に耐えようとするマリアにさらに甘い刺激が加えられた。

 舌を弄っていた指先が上を向き、彼女の弱い上顎をつうと撫でたため思わず喉から声が漏れた。

 猫の喉をくすぐるような仕草でなんども上顎を撫でられると、マリアはゾクゾクする刺激に眉をしかめる。

 息が乱れ熱い吐息が鼻と口から抜けていく。

「ホントにアンタはココが弱いな。もうやめとくか?」

 マリアの反応を楽しみながらミゲルの指先は緩慢な動きを止めることが無い。

 幾度となく波のように寄せては返す快楽に、許容量を超えた涙が彼女の目尻からすうとこぼれ落ちた。

 それを見たミゲルがそっと指を引き抜こうとした。

 だが、引き抜こうとするのと反対の負荷がかかり彼ははふっと笑う。

 マリアが彼の指に軽く歯を立て、やめるなと濡れた瞳が見上げている。

「了解。続きしてやるから、とりあえず離してくんない?」

 くすくすと笑いながら言うミゲルの言葉に、マリアははっとして口を開け指を解放した。

 そして、その顔は羞恥に赤く染まっている。

 ぬるりと指を引き抜くと、マリアの咥内にたっぷりと溜まっていた唾液が糸を引く。

「アンタの涎でびしょびしょだ」

 そう言ってミゲルは濡れた指に舌を這わせるようにして唾液を舐め取る。

 ちゅっと僅かに水音が立ち、指に這う舌の動きが卑猥に見えて、マリアはドキドキしながらお腹の奥がじくじくと疼くのを感じた。

(ああ、私はなんていやらしいんだ……早くあの舌で舐められたくてたまらない。頭ではミゲルを受け入れることを渋っているくせに、この身体は早くひとつになりたいと思ってるんだ……。なんて浅ましいんだ、私は――)

 しかしその彼女の思考も、ミゲルが触れることであっさりと霧散していく。

 額に柔らかなものを感じ、そこへ口づけられたのだとわかる。

 じんわりと時間をかけてゆっくりと押し付けられた唇は、柔らかくて温かくてやさしい気持ちが染み込んでくるようだ。

 マリアはなぜかそれをとても愛おしく感じ、そっとミゲルの体に両腕を絡ませた。

 もっとこの温もりを感じたい――その思いが取らせた行為だった。

「ミゲル……」

 身近に感じる彼の匂いとぬくもりに思わずうっとりとしてしまう。

 一見するとチャラく思えるのに、身近に感じると仄かに甘く、研ぎ澄まされた銀色の刃のような凛としたオーラのようなものを感じる。

 そしてそれをもっと感じていたくて、背中に回した白い手が広い背中を撫で回していく。

「ホントずりぃよな……」

 出来るだけ冷静に振舞おうと思っていたミゲルだったが、ただ一言名を呼ばれただけで己の中心が一気に熱く硬くなったことに、ちょっとした敗北感を覚えたようだ。

「なんだ?」
「いいや、こっちのこと」

 くすりと笑いミゲルはマリアのこめかみに口づけた。

 そのまま耳朶にも唇をそっと押し当てる。さきほどより体温の高い唇が触れ、そこから熱い鼓動が伝わってくるようだ。

 

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吸血鬼と不良神父~
~桜猫*日和~