★2/15:雑記更新 ・「嘘つき聖女候補~」と「座学の女王さま~」をメインに更新中。

「好き」は魔法の呪文

各話:表紙

 

「まだ良くわかってないようだな。今一度教え込んでやるよ。アンタが誰を好きなのか」

 いや、わかっていて認めようとしない。

 アストルティーアの血を引くマリアにとって、そのプライドが彼女を今一歩踏み込ませないのだ。

 ミゲルはマリアを抱き上げると、そのまま寝室へ向かう。

 それから彼女をそっとベッドに横たえると、そのしなやかな体を覆うように身を乗り出す。

 ミゲルの重みに反応するように、ベッドが軋んだ。

 そして彼はマリアの耳のすぐ横に手をつき、そっと頬に触れる。

「ミゲル、お、落ち着け。こんなことしてなんになるんだ」

 自分の頬に触れた手のひらの熱さに無意識に脈が速くなり、思わずマリアは自分の体を守るように掻き抱く。

「動揺してるのはアンタのほうだろ。そんなに守りを固めるように身を強張らせて、なにをそんなに警戒する必要がある? オレは落ち着いてる」

 なにか話さなくてはと思うマリアの気持ちとは裏腹に、図星を指されたことでとっさに言葉が出てこない。

 それで彼女は困ったようにミゲルを見上げた。

 すると彼は凪いだ湖のような穏やかな声でこう言った。

「心も裸になっちまえよ」
「……!」

 ミゲルのたった一言がマリアの心を容赦なく射抜く。

 ズブリと重く深く侵食する。言葉を紡ぐことを忘れた唇の輪郭を、ミゲルの形の良い親指が掠めるようになぞっていく。

 そのくすぐったくも淡い快感にマリアは小さな喘ぎを漏らしてしまう。

「可愛いな……」

 こんなことで声を漏らしてしまったことが恥ずかしくて、マリアの頬が一気に赤くなる。

 顔から湯気が立ち上がりそうなくらいだ。

 ミゲルの指は幾度も薔薇のような唇をなぞり続ける。

「ん、ふ……や……っ」

 さざなみのように寄せては返す淡い快楽に、マリアの瞳が徐々に潤みその吐息は湿り気を帯びていく。

 これだけでも気持ちいいが、それ以上の喜びを知っている体には、もっとその先をと焦らされているようにしか感じられない。

 自ら体にきつく回した両腕はすでに力を失い解かれている。

「嫌? ああ、もっとってことか。アンタの口は素直じゃないからな」

 潤んだマリアの灰色がかった淡い緑の瞳を真っ直ぐに見つめながら、ミゲルの指が彼女の唇の中央でピタリと止まる。

 それからゆっくりと指の腹で下唇をめくるように軽く押すと、それにつられて薔薇の唇がわずかに開き、真珠のような歯がちらりと見えた。

「ん……っ……」

 マリアの吐息に熱が加わりはじめた。

「入れるぜ?」

 わざとらしく宣言し、ミゲルはくすりと笑う。

 開いたマリアの口の、歯と歯の間にゆっくりとカタツムリが這うほどの速度で人差し指を差し入れていく。

 すらりとした指先が舌に触れると、マリアの腰がビクッと震えた。

「アンタの口の中、すげぇ熱いな。我慢できないならしゃぶってもいいんだぜ?」
「んんっ!」

 意地の悪い笑みを浮かべながら、低く甘い声で言われると先程よりも強く甘い痺れがピリリと腰に駆け下り、マリアは思わず嬌声を上げた。

 すでに下腹部は熱く疼いて、足の付け根は潤んでしまっている。

 隠すことは出来ないが、それが恥ずかしくてマリアはもじもじと内腿を擦り合わせる。

 それに気付いたミゲルは嬉しそうに目を細めた。

(なんてことを言うんだ、こいつは! そんなこと言われたら、まるでミゲル自身を口に含んでいるみたいではないか。いや、確信犯だ。そういう男だ。ずるくていやらしくて、私の喜ばせ方なんて知り尽くしてる……)

 しかしマリアの思考はそこから再び途切れる。

 付け根まで入ったミゲルの指が、舌の裏の柔らかい部分を唾液を絡ませるように、ねっとりと弄りはじめたからだ。

 濡れた指が舌の上にきて、優しく撫で回す。

「んんぅ……ん……」

「そんなに舌を奥に引っ込められたら、さらに指を突っ込まなきゃならないんだけど、えずいたら苦しいんじゃないか?」

 

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吸血鬼と不良神父~
~桜猫*日和~