★2/15:雑記更新 ・「嘘つき聖女候補~」と「座学の女王さま~」をメインに更新中。

マリアの王子様4

各話:表紙

 軽々と抱き上げられてマリアはときめいてしまった。

 衣装も相まってミゲルが素敵に見えてしょうがない。

 彼のこの姿を目にしたときからマリアは恋をしたての乙女のようで、それに気づくたびミゲルはほくそ笑んでいた。

 そして、ベッドに横たえられるまで、マリアはミゲルに見惚れていた。

「そんなに貴族の服をまとったオレはかっこいい?」
「ひゃっ!」

 絶対バレていないと思っていたのに、不意に図星を指されてマリアは小さな悲鳴を上げた。

 瞬時に顔が赤くなる。

「アンタがそうしてほしいってんなら、今からことが済むまでの間、王子様とやらになってやろうか?」

 なんと甘い誘惑だろうか。

 心の中では諸手を挙げて喜ぶマリアだが、プライドが邪魔して素直にはいと言うことが出来ない。

「……なんで、いきなり、そんなことを」
「そんな恋に酔ったような目でちらちら見られたら、嫌でもわかる」
「……っ」

(恥ずかしい! こんなの恥ずかしすぎる! だ、だってしょうがないじゃないか……本当に王子様みたいで、勝手に胸がときめいてしまうんだ)

「どうする? アンタの返答次第だ」

 言いながら楽しそうに見つめてくるミゲルにも、マリアはすでにときめいてしまっている。

 かなり重症だ。

「お、お願い、します……」

 なぜか弱々しい丁寧語で彼女は希望を述べる。

 一瞬ミゲルは吹き出しかけたが、ぐっとこらえた。

 褒めてほしい。

「わかったよ。アストルティーアの誇り高き血を受け継ぐ姫君」

 優雅な笑みと共にミゲルは恭しく頭を垂れる。

 しかも、それが嫌味ったらしくなく、ごく自然でとても様になっている。

「……っ」

(ああ、駄目だ。いや、駄目ではないが……なんだこの破壊力は。素敵すぎる……兄上に育てられていたら貴公子になっていたのだろうか。というか、こちらが本来のミゲルだったんじゃないかというくらい、振る舞いも衣装も似合いすぎている)

 マリアは感動に瞳を潤ませながらミゲルを見つめる。

 すると彼はふわりと花がほころぶように上品な笑みを浮かべる。

 それがまたマリアの胸にときめきの矢を突き刺す。

「姫、私にときめくのは良いけれど、それでは最後まで心臓が持たないのではないかな?」
「大丈夫、だ」
「そうかい。では遠慮なく愛でさせてもらうよ」
「は、はい……」

 ミゲルに髪をゆっくりと梳かれながらマリアはうっとりと彼を見つめる。

 徐々に二人の距離が近づき、そっと唇が重なる。

 唇を啄むだけのやさしい触れ合いが、心をほんわかと温かくしていく。

 やがてミゲルの舌先が唇を割り歯列をなぞると、マリアはそっと口を開く。

 歯と歯の間からミゲルの肉厚の舌がするりと入ってくる。

 頬の内側の粘膜を舐め上げ、舌の付け根をぬるぬるとくすぐられるとなんともいえない気持ちよさが咥内に広がる。

「んふ、ん……」
「興奮してるのかな? いつもより体温が高いみたいだ」

 口づけの合間にそう言われると、恥ずかしくてマリアは耳の先まで真っ赤になる。

 胸の鼓動は増すばかりだ。

 舌を擦り合わされ絡め取られ、甘噛みされると、心地良さにお腹の奥がきゅうと疼く。じりじりと焼かれているように熱い。

(いつもと変わらないはずなのに、ミゲルの唾液がとても甘く感じる……その精気も美味しくてたまらない)

 もっと味わいたいとミゲルの首に両手を回して体を擦り寄せると、彼もマリアの背中に手を回しぐっと抱き返してきた。

 今の二人を隔てるものはお互いの服だけだ。

 丹念に咥内を愛撫されて、唇が離れる頃にはすっかりマリアは蕩けていた。

「ずいぶんと感じているね。どの程度潤っているのか、確認してあげる」
「そんな……」
「いや? 君が本心から嫌だと言うなら、引き下がってあげてもいいけど、どうする?」

 

↑読了ついでにポチッと(*´ω`*)桜猫にちゅ~るが贈られます。
↑読了ついでにポチッと(*´ω`*)桜猫にちゅ~るが贈られます。
吸血鬼と不良神父~
~桜猫*日和~