★2/15:雑記更新 ・「嘘つき聖女候補~」と「座学の女王さま~」をメインに更新中。

神父はおねだりをご所望です3

各話:表紙

「はあ……やっぱりお風呂は最高だな……」

 ほっとしてマリアは顔を綻ばせる。

「可愛いな」
「え?」
「可愛いって言ったんだよ」
「……っ」

 嬉しいよりも恥ずかしいが先に来て、思わずマリアは言葉に詰まる。

「そういや口も切ってたよな」
「ああ、それならもう回復し」
「消毒しとかねぇと」

 マリアの言葉を遮るように言うと、ミゲルはそっと唇を重ねる。

 労わるように何度も触れるだけのやさしいキスをする。

 触れたところからやさしい気持ちがしみ込んでくるようで、マリアの胸はキュンと切なく、そして温かくなった。

「消毒って……き、キスしただけじゃないか」

 しかも切れたのは口の中だ。

「嫌だったか?」
「嫌ではないが……」

「なんでだろうな。アンタは十分強いのに、守ってやりたいって思っちまうんだよな。あんないかれた色男に傷つけられたかと思うと腹が立つっつーか。だから消毒」

 そう言うとミゲルは濡れた服をその場で脱ぎはじめる。

「な、なにしてるんだっ」

 動揺して大きな声を上げ、痛みに少しだけ顔を歪ませるマリア。

「いや、ついでにオレも風呂入ろうかなと」
「なぜだ」
「だってオレも濡れてさみぃもん」
「な、な……っ」

 マリアの目の前で、ミゲルはあっという間に素っ裸になった。

 しかも彼の若い性はすでに勃ち上がっている。

「なんでもうそんなになってるんだっ」

 頬を赤く染めながらも、マリアの視線はちゃっかりミゲルの熱く昂ったものに注がれている。

「なんでって、さっきも言っただろ? 毎日我慢してるし、アンタはオレ好みだし、この状況でなんの反応もなかったら逆に怖いわ」

「……し、しないからな」

 思わず凝視してしまったが、羞恥からマリアは視線を斜め下へ移した。

「それってフリかなにか?」

 マリアの言葉にニヤリと笑い、ミゲルはバスタブの縁に頬杖をついて彼女を眺める。

「振りじゃない! 生命維持以外の性行為はしない、と言ったんだ」
「うかつだったな、マリア。この状況でオレがなにもしないとでも思った?」

 満面の笑みの裏で、絶対に逃がさないと彼の表情が物語っている。

 ミゲルが自分を抱く気満々だということがわかり、マリアの胸がどくどくと激しく脈打つ。

(ああ、こいつの背中に悪魔の羽と尻尾が見える……神父のくせになんて男だ)

「神父というものは生涯独身を貫いて、童貞なんじゃないのかっ!」
(……怪我が痛いんだから大声出させるな。この馬鹿!)

「なに年寄りのじじいみたいなこと言ってんだ。今時童貞神父なんて珍しい方だぜ。百年だか二百年前に神父のなり手がごっそり減った時期があって、結婚を解禁したらしい。うちの教会には妻帯者も結構いるぞ」

「そんな……」

「まあうちの教会は神の教えを説くよりは、悪霊やら悪さする化物を大人しくさせるほうがメインだからな。そこまで貞操に煩くないのかもな」 

「……」

 マリアはもう二の句がつげなかった。

 はっと気付くとミゲルの唇が頬に触れている。

 間近で自分を見つめる彼の瞳と視線がぶつかり、心臓が早鐘を打つ。

「大丈夫。怪我に響かないように優しく抱いてやる」

 そう告げると唇を離し、ミゲルは冷えた体を温めるためにかけ湯をする。

 他にすることもないので、マリアは彼の様子を眺めているが、胸の動悸は一向に失速してくれない。

 ミゲルの程よく筋肉のついた体は、お湯でしっとりと濡れるとなんとも艶かしく思えた。

 吸血鬼の本能なのか、あの首筋に吸い付きたいとさえ思ってしまった。

 くっきりと浮かぶ鎖骨も指でなぞりたいほどだし、逞しい胸板はてのひらで撫で回したくなる。

 程よく割れた腹筋は綺麗で、引き締まったウエストは最高と言ってもいい。

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吸血鬼と不良神父~
~桜猫*日和~