★2/15:雑記更新 ・「嘘つき聖女候補~」と「座学の女王さま~」をメインに更新中。

ミゲルと教会

各話:表紙

 翌朝。雨はあがり、東の空には青空が見えていた。

「突っ立ってないでアンタも座れよ」

 自分の隣の椅子をトントンと叩き、ミゲルはマリアに座るように促した。

 特に断る理由もないので、マリアはそのままミゲルの隣の席に腰を下ろす。

「ほら、アンタの分」

 言いながら彼は木の器を手に取ると、テーブルの上に置かれたシチューの入った鍋からマリアの分をよそってやる。

「ありがとう」

 礼を述べシチューを受け取ると、マリアは早速スプーンですくい口元に運ぶ。

「あつっ」

 具のジャガイモが思いのほか熱く、マリアははふはふと息を吐いた。

「貸しな」

 マリアのスプーンを受け取ると、ミゲルはシチューをすくい、ふーふーと息を吹きかけ冷ましてやる。

「ば、馬鹿にするな。それくらい自分で」
「オレがやりてぇの。ほら、あーんして」
「……っ」

 しばし迷ったマリアだったが、控えめに口を開けると、口元に差し出されたスプーンを口に含み中身を飲み込んだ。

「ほら、マリア」

 次を促され、マリアは再びミゲルの差し出したスプーンを口に含んだ。

(……いつまで続くんだ、これ)

 目の前の神父はとても楽しそうに、シチューを食べるマリアを観察している。

「ミゲル、もういい……」
「よくない。ちゃんと食え。あんな大痣こさえてきておいて」
「自分で食べられる」
「却下」

 強引にシチューの入った器とスプーンを取ろうとしたマリアの手を、あっさりと躱すミゲル。

「下僕なら私の言うことをきけ」
「やーだねー」

 くすくすとからかうような笑みをミゲルはマリアに向ける。

「いいから食えよ」

 スプーンで唇をツンツンとつつかれ急かされる。

 仕方なくマリアはシチューを口に含んだ。

 するとミゲルは嬉しそうにマリアが咀嚼する様子を見つめている。

 可愛くて可愛くてたまらない。

 緑の瞳が言葉以上に雄弁に語りかけてくる。

 その目に見つめられると恥ずかしくなって、マリアは左に顔を背けた。

 そしてマリアにとって甘い拷問のような行為は、器が空になるまで続けられた。

「はい、これで最後」
「……っ」

 羞恥に耐えながら最後のひと口を口に含もうとしたら、歯がスプーンに当たり、口の端にシチューがついてしまう。

 指で拭おうとしたら、横からミゲルの舌がそれを舐め取った。

 予想外のことにマリアの鼓動がドクンと跳ねる。

 激しい鼓動に静まれと念じながら、シチューを飲み込こんだ。

「旨かったか?」
「ああ。だが、もうこんな恥ずかしいことしないでくれ」
「なんで?」
「恥ずかしいと言っただろう……」
「じゃあ、なんだったらしてもいいわけ?」

 マリアの座る椅子の背もたれに手を置き、ミゲルはぐっと顔を寄せ彼女の瞳を覗き込む。

「近い」
「なにか問題が?」

 ミゲルは楽しそうにうろたえるマリアを観察している。

「大ありだ! お互い付き合ってるわけでもないのに、貴様は距離が近すぎるんだ」
「ふーん、それで?」

 くすりと笑い、彼はマリアの熱く火照った頬に唇を押し付けるようにして言葉を紡ぐ。

「だから、こういうのは困」
「聞こえねぇな」

 マリアの言葉を遮って言うと、ミゲルは唇を重ねる。

「ミゲ」
「知るかよ」

 喋ろうとしたら再度唇を押し付けられる。

 熱い唇が触れているだけなのに、のぼせたような気分になる。

 湿った舌がぬるりと唇を舐めていく。

 その舌も熱くて、それだけで頭の芯がぼうっとしてしまう。

 数回唇を啄ばまれた後、下唇に軽く歯を立てられると、熱い吐息と共にマリアの口が少し開いた。

 そのわずかな隙間にミゲルの肉厚の舌が差し込まれ、口を開かれる。

 熱い舌を擦りあわされると、お腹の奥にじくじくと熱い疼きが沸き起こってくる。

「んんぅ……」

 ねっとりと絡む深い口づけに、マリアの白い喉がひくついた。

 もっととせがむような甘い声が漏れ、恥ずかしさに両目を固く閉ざした。

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吸血鬼と不良神父~
~桜猫*日和~