★2/15:雑記更新 ・「嘘つき聖女候補~」と「座学の女王さま~」をメインに更新中。

殺したいのに殺せない相手2

各話:表紙

「このゲス神父……!」
「おーおー元気だねぇ。<魔封縛りバインド>を発動してるってのにそこまで意識を保ってるのは、アストルティーアの血の成せるわざか?」

 <魔封縛り>の陣は対象の魔力に応じてその効力を発揮する。

 雑魚の魔物ならいざ知らず、吸血鬼――ましてやその中でも名門と言われるアストルティーアの血を引く彼女の魔力はトップクラスだ。

 そんな魔力の高い彼女にとってこの束縛の魔方陣は、その身を押しつぶさんばかりの圧力を感じているはずだ。

 並の吸血鬼であれば気絶していてもおかしくはない。

「殺すなら、ひと思いにやれ!」

(陵辱されるなどまっぴらごめんだ。例えここで命果てようと、生まれ変わってでも復讐してやる……! ただでさえ弱っている私に、魔封じの陣まで発動させるような酷い男だ。報復せずにいられようか)

 マリアの瞳がぎらぎらと怒りに燃える。

 その瞳に一瞬射抜かれ、ミゲルははっと我に返る。

 マリアは純血種の吸血鬼だけあって、その容貌はとても美しい。

 実年齢はわからないが、見た感じでは二十代前半の美女だ。

 女性らしいメリハリのある体つき、見るからに柔らかそうな肌は雪のように白く、豊かな胸と尻をしているのにウエストはきゅっとしまっている。

 女性なら誰もが憧れるであろう理想の体型がそこにあった。

 しかし、いやらしさはなく優雅さが勝っている。

 その身から漂う雰囲気は高貴そのものだ。花に例えるならば大輪の薔薇だ。

 腰まで流れる髪は頭上はミルクティを思わせる亜麻色で毛先に行くにしたがってゆるく波打ち、夜明けの空のような淡い紫色という珍しい色をしている。

 男ならば誰でも一度は抱きたいと思ってしまうだろう。それほどに彼女は魅力的な外見をしている。

 しかし、薔薇色の形の良い唇から紡がれる言葉は、男性が使うものだ。

「アンタ馬鹿か? オレは助けてやるって言ったんだぜ?」

 助けると言っているが、この時点においてマリアが助かるためには、ミゲルに抱かれなければならない。

 他の誰でもないこの天敵とも言える神父に。

 ――彼以外の男性では駄目なのだ。彼でなくてはならないのだ。

「人間に助けられるなど、まして神父に助けられるなど冗談じゃない。しかも貴様のようなゲス神父に……」

 はあ、とミゲルは溜息をついた。

「せっかく見た目は美人なのに台無しだ。アンタもう黙ってろ……」

 そう告げるミゲルに強引に唇を塞がれ、無理やり舌を捩じ込まれる。

 それでもマリアは抵抗し、必死にミゲルの舌から逃げる。

「んっ……ふうぅ……っ」
「逃げるなよ」

 頭を抱きこむように後頭部に手を回され、マリアはさらに動きを封じられてしまう。

 ふたたび重なる唇がぴったりと自分の口を塞ぐ。

 無理やり侵入してきたミゲルの熱い舌先が上顎を掠めると、マリアの体がビクンと跳ねた。

 それでそこが気持ちいいのかと気付いたミゲルは、強引に舌を絡めるのをやめて掠めるように何度も何度も、もどかしいほどの緩慢さでマリアの上顎をやさしく愛撫してくる。

 そうされると、くすぐったいような心地良いような感触に、思わず両目を閉じてしまう。

 下肢がムズムズとして、膝を閉じようと身じろぐが、ミゲルが体を脚の間に割り込ませているせいで、それもままならない。

 やがて強張っていたマリアの体から、与えられる快感のため、しんなりと余計な力が抜けていく。

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吸血鬼と不良神父~
~桜猫*日和~