★2/15:雑記更新 ・「嘘つき聖女候補~」と「座学の女王さま~」をメインに更新中。

乾きと熱3

各話:表紙

「言えるわけがない……必要以上に触れるなと言ったのは私だ。どの面下げて言えるというんだ」

 必死に堪えるマリアの目に、じわじわと涙が溜まり潤んでいく。

「――いいぜ、吸えよ。吸血鬼なんぞにただの一滴も血をやりたくないのは変わらないが、アンタだけは別だ」

 力強く抱き締められたかと思うと、耳元でそう囁かれ不覚にもマリアは胸が熱くなった。

「し、しかし……!」

「死にたいわけじゃないんだろ? オレもアンタを助けたい。条件は一致してる。ほら……」

 そう話すミゲルに頭を首筋に誘導された。

「……っ」

 ここまでされると、もうマリアは抵抗できなかった。

 胸いっぱいの罪悪感と共に、ミゲルの喉元に牙を突き立てたのだった。

「……想像してたよりは、痛みがないな。むしろ、ちょっと気持ちいい」

 そんなことを呟くミゲルの声を聞きながら、口の中に鉄錆びた血の味が広がるのだとばかり思っていたマリアは、予想外の味に驚く。

(しょっぱい味を想像していたのに、ぜんぜん違う。上質な酒のような味がする。それなのに、香りは誘惑するように甘い……。なんて美味しいんだ……でも、なんだか、体が熱い――)

 マリアは顔を上げ口元を拭う。

「もういいのか?」
「ああ、だいぶ回復し……あれ?」

 ミゲルの問いかけに答えつつ、体を起こそうとしたマリアは踏ん張れないことに気づく。

 それだけでなく体の中の淫らな部分を無理矢理煽ってくるような感覚を感じ取った。

「どうした?」

「……腰が……力が入らない。どうなってるんだ、貴様の血は。せっかくこんなに美味しいのに、まるで強い劇薬じゃないか」

 そういうマリアの肌は桜色に染まり、瞳は熱く潤んでいる。

 なにより体の芯が熱く疼く。

「……もしかして、オレの血を飲んで腰が抜けたのか? アンタ……自分が今、どんな顔してるかわかってるか?」
「え?」

 マリアの変化に気づいたミゲルは、試しに彼女の首筋をそっと撫で上げてみた。

 するとマリアはいつもより過剰に反応してみせた。確認するには、それだけで十分だった。

「欲情してるな。ふーん、どうやらオレの血は、アンタにとっては媚薬に相当するみたいだな……想定外だがオレにとっちゃ好都合か」

「そんな! なら私は貴様の血を吸うたびに、腰砕けになってしまうのか!?」

(なんてことだ……これではミゲルの血を吸えたとしても、精気を得られても、私は毎回欲情する羽目に――うかつに手を出せないではないか……)

「かもな」

 困惑の表情を浮かべるマリアの胸を、服の上からミゲルの大きな手がふわりと撫でた。

「んんっ……か、勝手なことをするな……」

 ただ撫でられただけだというのに、ゾクゾクするような快感がもたらされ、不覚にもマリアは小さく喘いでしまった。

「けど、欲情したままじゃアンタも辛いと思うけど? 性欲が収まるまで待つか、自分で慰めるか、オレに抱かれるか。選択肢は三つだ、どれがいい?」

「そんなの我慢するに決まっている!」
「できるか? 性欲堪えるのって結構辛いぜ?」

 そう告げるミゲルの瞳が楽しげに細められる。

「きっ、貴様と一緒にするな!」

 ミゲルはソファの上に起き上がると、腰砕けで動けないマリアを自分の上に抱き上げた。

 ちょうどソファに腰かけたミゲルをマリアが跨る体勢になった。

 薄い夜着がはだけてマリアの白い太腿が顕わになる。

「んじゃ、オレはこうやってアンタの様子を観察しとく」
「バカっ、今すぐここから下ろせ!」
「やーだねー」

 お互いの体が密着し服越しに体の中心が重なったため、より鮮明に熱が伝わってきてゾクリとした。

 それから少しでも逃れようと、マリアができる範囲で体を動かせば、下腹部がじくじくと疼いた。

「このっ、放せというのにっ」

 マリアは離れようとミゲルの肩を両手で押すが、腰砕けになっているせいか思うように力が入らない。

「吸血鬼のアンタもこうしてると、ただの女だな……このままオレのものになっちまえよ」

 

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吸血鬼と不良神父~
~桜猫*日和~