★2/15:雑記更新 ・「嘘つき聖女候補~」と「座学の女王さま~」をメインに更新中。

変わらぬ想い3

各話:表紙

 

「マリア、オレは馬鹿じゃない。アンタが奴の妹だったってだけで、恨んだりしねぇよ。……言っただろ? オレの好きは重いんだって」

 そういえば、とマリアはその時のことを思い出す。

 あれはミゲルが教会から帰ってきてからのことだった。

 ――オレの本気の好きは、そう簡単にひっくり返らないくらい重い。

 アンタを手放す気も、離れるつもりもない。

 あの言葉は嘘偽りなくミゲルの本心だったのだ。

 それがわかった今、マリアの胸は熱く切なく締め付けられる。

「私で、良いのか? あとで後悔するかもしれない……」
「初めて会ったときから、アンタ以外の選択肢はオレの中にない」

 マリアと初めて出会って、彼女を抱いた日。ミゲルは恋に落ちてしまったのだ。

 吸血鬼に対する憎しみはゼロでは無かったし、その八つ当たりも兼ねて散々喘がせて抱いた後、教会に引き渡そうと当初ミゲルは考えていた。

 ところが、実際マリアを助ける必要もあり、彼女を抱いてみたら予想外だった。

 処女であったばかりか、自分の下で快感に身を震わせる彼女のことが抱いているうちに可愛くて堪らなくなってしまった。

 情が移ったといえばそれまでだが、理屈抜きに急激にマリアに惹かれる自分に気付いていた。

 もしかしたら一時の気の迷いかもしれないと、事あるごとに体を重ねていったが、そのたびにマリアに嵌っていく自分を自覚せずにはいられなかった。

 マリアの素直じゃないところも、誇り高いところも、時々恥ずかしがり屋なところも、傷ついたバートを頬っておけないやさしいところも、それ以外の全てさえ――ミゲルは好きになっていった。

 マリアに出会ってからは、もう他の女には興味が沸かなくなっていた。

「でも……」

「なあに、マリアちゃん。あんだけオレのこと好きだって言っといて、今更それはナシってのは受け付けないぜ?」

 からかうようにミゲルが笑う。

「なんで、そんなにやさしいんだ……」

 かすかに震える声でマリアは問う。

 その答えに、ミゲルは苔緑の瞳に慈愛の色を浮かべ、穏やかに告げる。

「アンタを愛してるからだ、マリア。オレは好きな女はなにがなんでも守るし、最後まで愛しぬく」
「――っ」

 真摯な告白に、マリアの胸がかっと熱くなり、心をぐっと鷲掴みにされ、涙が溢れる。

 あまりにも真っすぐで、熱く強い愛情に涙が止まらない。

 寧ろ逆に、メイザースの妹という事実から嫌われるのではないかと悩んでいたことが、恥ずかしくなる。

「はは、せっかく泣き止んだと思ったら」

 愛おしいという想いがマリアの心の奥底からどんどん泉のように湧き出てくる。

 目の前の傷ついたこの男のことが、ミゲルのことが愛おしくてたまらない。

 さっきまであれほど情けない泣き顔を見られたくないと思っていたのに、自らミゲルに唇を重ねている自分に気づく。

 少しばかり塩気を含む口づけに、ミゲルはくすりと笑い甘受する。

「やっぱりアンタは、可愛いな」

 口づけの合間にそう告げると、マリアは真っ赤になったが、想いを伝えるように丹念にミゲルの咥内を愛撫する。

 いつも彼がしてくるように、歯列を辿りねっとりと頬の粘膜を舐め、舌の表面をくすぐる。

 そうされるとたまらないのかミゲルが低く喘ぎを漏らす。

 幾度となく舌を絡め擦り合わせると、熱くぬるついた感触にゾクゾクとしてマリアは眉を顰めた。

 角度を変えて口づけるたびにくちゅりと淫らな音が漏れ、上顎をくすぐるとミゲルは熱い吐息を漏らす。

 それを薄目で見つめながら、なんていやらしい顔をするのだろうと、マリアは内心ドキドキしている。

 いつも喘がされてばかりいるが、逆に彼が喘ぐ姿はとても悩ましくいやらしい。

 こうして見るとミゲルが自分を啼かせようとするのが、なんとなくわかった気がした。

 そっと口を離すと、ミゲルの熱く濡れた瞳が見つめてきて、思わず腰にゾクリときた。

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吸血鬼と不良神父~
~桜猫*日和~