★2/15:雑記更新 ・「嘘つき聖女候補~」と「座学の女王さま~」をメインに更新中。

名誉聖女と大神官3

各話表紙:聖女

 あまりに激しく咥内を貪られ、息苦しさから少し待ってと言おうとしたが、それすらまともにできない。

 荒々しく咥内を蹂躙されているのに、それが気持ちよくもあり、フィアーナの眦から快感の涙がすうっとこぼれ落ちる。

 肉厚の舌が咥内を舐り、激しく舌を絡められ、幾度となくきつく吸われた。

 いつも以上に激しい口づけに、ラミレスがこれほど自分を欲していたのかと思うと、フィアーナは嬉しいと思ってしまう。

(でも、でも、待って……本当に、息が苦しい……っ)
「んあっ……はあっ、はあ……っ……」

 フィアーナがもうだめだと思ったとき、急に唇が解放され一気に空気が入り込んできた。

 フィアーナは呼吸を整えるために、必死に肺に酸素を取り込む。

「足りない……」
「え……?」

 フィアーナが必死に呼吸を整えているのに、ラミレスはやや不満そうだ。

「あなたがあまりにも苦しそうなので中断しましたが、まだ満足できません……もう一度」
「待って、ラミレス! 本当にまだ息が苦しいから……っ」

 フィアーナが必死に口づけを拒否しようとするが、ラミレスのしなやかな指が顎を捉え、逃げることができない。

「失礼しまーす!」

 そこへ少し勝ち気そうな少女の声が飛び込んできた。

 その声にフィアーナはビクッと身震いした。

 ラミレスも珍しくキスのことで頭がいっぱいになっていたせいか、普段であれば気づく他人の気配を感じ取れなかったようだ。

 勢いよく部屋の扉が開き、ソファーの上で抱き合うフィアーナとラミレスの前に、一人の少女が姿を現した。

「まあ、大神官さまって情熱的な人だったのね?」

 その少女は聖衣を身に纏っていた。

 そしてさらに驚くべきことに、二人は彼女を知っていた。

「あなたは以前、治療を受けに来た……」

 ラミレスの言葉にこくりと少女は頷く。

「聖女さまには以前、足を治していただきました。今回は患者ではなく、聖女としてここにやってきました」

「聖女……! ああ、あなたが新しい聖女なんですね……」

 フィアーナは実際に聖女を確認できたことで、やっと肩の荷が降りた気がした。

 ラミレスに抱きしめられたまま、ふにゃりと力が抜けた。

「お二人共、もう少しビシッとしたらどうですの? 仮にも大神官と名誉聖女なのでしょう?」

 自分たちより遥かに年下の少女から注意されて、フィアーナは真っ赤になった。

「そ、そうですね」

 言いながらラミレスから離れようとするのだが、彼は解放してくれない。

「いいんです、私たちはこれが自然です」
「ちょっと、ラミレス、なに言ってるんですか! 放してください」
「嫌です。それで、あなたはここへなにをしに来たんです?」

 やや言葉に棘を含むのは、フィアーナとのキスを中断され少しばかり気分を害したからのようだ。

「やっと本題に入れるわね。新たな聖女として、大神官さまと名誉聖女さまにご挨拶に参りました。私はロザリア・デ・フェビアンと申します。どうぞよろしくお願いします」

 新たな聖女、ロザリアは優雅に挨拶してみせたのだった。

「はい、こちらこそよろしくお願いします」

 ラミレスにぎゅうぎゅうと抱きしめられながらも、フィアーナは言葉を返した。

「あのときは大人しそうに見えたのに、大神官さまは肉食獣だったのね。ガツガツしすぎてフィアーナさまに嫌われないといいわね? それじゃ」

 鈴を鳴らすような可愛い声で、とんでもないことを言い残し、新米聖女は扉を閉め部屋を出ていった。

「ロザリアと言いましたか。私に喧嘩を売るとはいい度胸です。存分に鍛えてあげようではありませんか、聖女として」

 不敵な笑みを浮かべるラミレスから、不穏なものを感じ取ったフィアーナは思わず呟く。

「ラミレスこわい……」

 ――こうして、新たな聖女、大神官、名誉聖女が誕生した一日が過ぎていった。

 

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癒やしの聖女は~
~桜猫*日和~