Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!

名誉聖女と大神官2

各話表紙:聖女 癒やしの聖女は~

「一瞬なにが起きたのかと思いました」
「そうですね、まさか任命式にいきなり飛ばされるとは」

 任命式を終えて奥に引っ込んできた二人は、ソファーに腰掛け一息ついているところだ。

 今いる部屋は神殿内の一室で、今日は控室に使われている。

「詳しいことはわかりませんが、神さまが願いを叶えてくれたってことですよね」

「そのようです。私を見ても誰も批判してきませんでしたし、隠していたことが公になっていたようです。民衆の様子からすると、神の言葉通りすでに聖女も現れているのでしょう」

「よかった……ラミレスがみんなに実力を認めてもらえて……ずっと聖女を救ったという功績を隠していたから。本当によかった……ただ付き従っていただけじゃないんだって、知ってもらえた……こんなに嬉しいことはないわ……」

 フィアーナは神官から大神官へと立派になったラミレスを見て、胸が熱くなる。

 彼がずっと出世に繋がる声がけを断っていたことは知っていた。

 それを知っていたからこそ、フィアーナはずっと歯がゆい思いでいたのだ。

「フィアーナ、そんなに見つめられるとさすがに私も恥ずかしいのですが」

 どうやら気づかぬうちにラミレスを凝視していたらしい。

「ごめんなさい。あなたがこんなに立派になったんだと思うと嬉しくて……なんだか息子を送り出す母親みたいな気分です」

 思わずフィアーナが小さく笑うと、ラミレスはすぐに否定する。

「冗談はよしてください。あなたの息子などごめんです。恋人か夫か、最愛の人にしてください」
「もののたとえです。でも本当によく似合っていますよ、ラミレス。素敵な大神官さまです」

 やっとラミレスが本来あるべき姿になったのだと思うと、嬉しくてたまらない。

 小さい頃から聡明だったラミレスは神官としても実に優秀だった。

「では就任祝いに名誉聖女から祝福のキスをいただきたいのですが?」
「わたしはもう、ただのなんの力もない、フィアーナよ?」
「それがいいんです、私は。さあ、早く祝福してください?」

 聖帽を近くのテーブルに置き、ラミレスは両目を閉じてその時を待つ。

 その様子が大好物を目の前にした子供のようで、フィアーナはくすりと笑う。

 ラミレスの額に手を伸ばし、指先で銀髪を避けると、やわらかな唇をそっと押し当てた。

 それから唇を離してから、あることに気づいた。

「ラミレス、眼鏡かけてたんですね……今気づきました」

 地下牢にいるとき、確かにラミレスは眼鏡を割ってしまったと言っていた。

「これも神の粋な計らいというやつですね」

 話しながらラミレスの両腕がフィアーナの華奢な体に絡みつく。

「え? なに……」

 フィアーナがそう口にしたときには、もう抱きしめられていた。

「今すぐ抱きたい」

 耳元でささやく声は熱い吐息と共に吐き出された。

「だ、駄目ですよ、ラミレス。こっ、ここは人が来ますから!」
「キスだけ、させてください」

 ラミレスが言い終わると同時に唇が重なる。

 以前と変わらない熱い唇に、フィアーナは自分の体が喜ぶのがわかる。

 ほんの数週間触れ合うことができなかっただけなのに、やっと自分の居場所に帰ってきたような、懐かしい感覚がした。

 フィアーナも自分からラミレスに体を擦り寄せ、自らの咥内にラミレスの赤い舌を招き入れた。

 すると、それに興奮したのか、一気に口づけが激しいものに変化した。

「んん……んっ……まっ、……あぁ……」

6+
↑読了ついでにポチッと(*´ω`*)桜猫にちゅ~るが贈られます。
↑読了ついでにポチッと(*´ω`*)桜猫にちゅ~るが贈られます。
癒やしの聖女は~
~桜猫*日和~