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肌に触れる唇2

各話表紙:聖女 癒やしの聖女は~

「お前さえ望んでくれれば、俺はいつだって……」

 お前を抱くのに、とあとに続く言葉は吐息と溶けて混ざる。

 憂いの表情を浮かべたまま、ラミレスはフィアーナの背中に口づけた。

 また一つ、不気味な痣が光の粒子になった。

 そのままラミレスは肩の痣に口づけを落とし、残るはフィアーナの右胸の下の部分だけになった。

 ラミレスが自分の正面に移動すると、フィアーナは弾かれたように我に返る。

「えっ、あれ!? きゃっ」

 目の前のラミレスと、下着姿の自分を確認するとフィアーナは我が身を抱きしめるように胸元を両手で隠す。

「覚えてないとは言わせない。お前が自分から脱いだんだ」
「……」

(ところどころ記憶があやふやだけど、確かに自分で脱いだ記憶はある……そうだ、浄化してもらっていたんでした)

 だが、そうだとわかっていても我に返ってしまうと、フィアーナは恥ずかしくてたまらない。

「別に目立つところではありませんし、ここは、しなくても……」

 消え入りそうな声で告げると、ラミレスはフィアーナの顎をしなやかな指で捉え上向かせる。

「そんなことできるか。痣が一つあるだけで、この前つらそうにしていただろう。お前はこの痣がただできているだけだと思ってるのか?」

「え?」

「俺はずっとお前を見てきたからわかる。その不気味な痣は、癒やしを受けた者の病巣と同じ部分に現れるんだ。症状が軽ければ痣は出現しないが、重いものは決まってお前の肌に痣となって現れている」

 いつになく真剣に話すラミレスの様子に、フィアーナもさすがに不安になる。

 それだけ穢れの影響が強いということだ。

 そんなものをずっと放置していれば、フィアーナの体に悪影響が出ることは明白だ。

「そう、だったんですね……わかりました」

 恥ずかしいことに変わりはないが、気づいたときに浄化を受けておかねば今後のお務めに支障をきたすのは目に見えている。

 フィアーナはおずおずと胸元を覆う両手をどけた。

 するとラミレスが手を伸ばし、右胸の下にある痣を指でそっと撫でる。

「この痣が心臓に近いほど危険だと俺は思ってる。お前の中で中和しきれない穢れの影響をもろに受ければ、鼓動が止まるだろうな」

「そんな……!」

 一つくらい残っていても平気だと思っていたフィアーナは、一瞬ぶるっと肩を震わせた。

「問題ない。俺が浄化するからな」

 ラミレスのたくましい腕がフィアーナの細い腰をぐいと引き寄せた。

 一気にラミレスとの距離が近くなりフィアーナの鼓動が激しくなる。

 しかも自分は下着姿だ。ぶり返す羞恥に頬が熱くなる。

「ラ、ラミレス……」
「じっとしてろ、すぐに終わる」

 ラミレスの顔が胸元に埋まり、そのまま右胸の下に移動する。

 やわらかな唇が肌を掠めるように触れると、フィアーナは思わず体を小さく震わせた。

 すぐに痣は光の粒となって宙に消えたが、ラミレスはそこに唇を押し当てたまま動かない。

 なかなか顔を上げようとしないラミレスに、フィアーナはそっと話しかけた。

「ラミレス、どうしたんですか? もう浄化は終わりましたよ?」
「もう少しこのままで」
「なっ、なに言ってるんですか! さっさと離れてください」

 フィアーナが必死にラミレスの頭を離そうと両手で押すが、びくともしない。

 そればかりかラミレスはクスクスと笑っている。

「可愛いな。お前の肌からものすごい勢いで心臓が脈打ってるのが伝わってくる」

 激しすぎるフィアーナの胸の鼓動を感じながら、ラミレスは悦に入った様子で、フィアーナの腰からはじまる緩やかな曲線を撫でる。

 それからやわらかなお尻の肉を確かめるように鷲掴んだ。

「ばっ、ばか! なにするんですかっ、離して! 離してったら!」

「前にも言っただろう? 俺は常にお前を抱くことばかり考えてるって。だがまあ、今日は疲れているだろうから、これで我慢してやる……やわらかくて癖になる感触だな」

「やだぁ……恥ずかしいことしないで……」

 耐えきれない羞恥にフィアーナの瞳がたちまち涙で潤んだ。

 しかしラミレスには誘っているようにしか見えないのだが。

「冷静になれ。俺の手がお前の尻にくっついてるだけだ」
「うそ! 思い切り揉んでる……!」

 悔しくて潤んだ瞳でラミレスを睨めば、可愛くてたまらないといった様子で微笑まれた。

「なんでそんなに可愛いんだ」
「かわいくな……っ」

 かわいくないと否定しようとしたら、ラミレスが痣のあった部分をきつく吸い上げ、フィアーナは最後まで口にできなかった。

 その行為は、二度、三度と繰り返され、フィアーナの白い胸元に赤い痕がついた。

「お前の肌に痕をつけていいのは、俺だけだ……ああ、早く俺のものにしたい――」

 あまりにも熱く切ないラミレスの声に、フィアーナはこんな状況だと言うのに胸が切なく締めつけられた。

 肌にかかるラミレスの熱い吐息がそのまま彼の心を現しているように思えて仕方ない。

 胸に顔を埋めたままのラミレスにきつく抱きしめられると、フィアーナはこれ以上抵抗する気になれず、そっとラミレスの頭を包み込むように抱きしめた。

「……ごめんなさい」

 ――聖女で。

 一番肝心な言葉はラミレスの気持ちを思うと、とても口にできなかった。

 

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癒やしの聖女は~
~桜猫*日和~