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不満をぶつける者たち2

各話表紙:聖女 癒やしの聖女は~

 ラミレスとのひとときを終えると、フィアーナは見張りのところへ移動した。

「すみません、少し教えてほしいことがあるのですが」

 フィアーナが話しかけると見張りはぽっと頬を赤らめた。

 なにしろ相手は聖女だ。しかもフィアーナは美しい。

 神殿内の異性からは憧れの対象でもあるのだ。

「はっ、はい、聖女さま。なんなりと」
「ここに面会に来る神官たちは、何時頃が多いですか?」

「ああ、それなら就業後が一番多いですね。それ以外の時間はほとんど人は来ませんから」
「そうですか、ありがとうございます」

 フィアーナがにっこりと微笑むと、見張りは再度顔を赤くした。

「そう言えば聖女さまは、なぜ呪いをかけた張本人であるラミレスと仲良しなのですか?」

「表沙汰になっていることだけが、真実とは限りません。わたしは彼に感謝こそすれ、恨む気持ちなんて微塵もないのです。寧ろわたしはラミレスに救われた身ですから」

「はあ……?」

 真相を知らない見張りは生返事しかできなかった。

 

 フィアーナは一度、地下牢から自室に移動し、終業の時を待った。

 少しだけ早めに地下牢へ移動する。

 だが、聖女の姿ではバレバレなので神官服を着てその上からフード付きのマントを身に纏う。

 顔が見えないように目深にフードを被った。

 地下牢につくと、人目につかない岩の陰に身を隠した。

(あとはラミレスにちょっかいを出す神官を待つだけ……)

 見張りの話では毎日来るわけではないということだったので、もしかしたら来ない可能性もある。

 それでもフィアーナはその現場を確認したいと思う。

 法王のときのように、現行犯で注意して二度と愚行を繰り返さないと誓わせたいのだ。

 フィアーナの期待を裏切ることなく、数分後、二人の神官が地下牢に現れた。

 その二人を目で追うと、二人共ラミレスのいる牢の前で止まった。

「おい、ラミレス。お前が聖女に呪いをかけたせいでどれだけの民が苦しむことになったのか、わかってるのか?」

「いつも聖女にべったりくっついてたのは、本当にうっとおしかったぜ。お前のせいで俺たちはちっとも聖女と関わることができなかった」

 二人のラミレスを見る目は敵意剥き出しだ。

「そんな遠回しに言わずとも、私が気に入らないとはっきりおっしゃったらどうなんです?」

 フィアーナが思わず身震いするほど鬼のような形相でラミレスを睨む二人組の視線を、ラミレスはなんでもないようにさらりと流している。

 微笑みでも怒りでもなく、今のラミレスは無表情そのものだ。

「ああ、そうだよ! 俺たちはいつも聖女を独り占めしてるお前のことが気に入らなかった! ただの一般人のくせに、聖女付きの神官というだけで、当たり前のように聖女の傍にいるお前が許せなかった」

「同じ神官なのに、なんでお前だけがってな!」

 二人の叫びが地下牢内に響き渡る。

 ピリピリした空気が伝わり、フィアーナは鳥肌が立ってしまった。

(どうしよう、あの中に入っていくなんて、こわい……)

「あなた方もご存知のはずですよ。私もまた、神に聖女を守る者として選ばれたことは」

「知ってても納得行かねぇんだよ!」

 二人組の片方が、地面から石を拾いラミレスめがけて投げつけた。

 投げるなどと生易しいものではない。

 憎しみを込めて投げつけたのだ。

 しかしそれは的を外れ、鉄格子に当たり大きな金属音を響かせた。

「ま、待ちなさいっ!」

 フィアーナはなけなしの勇気を振り絞り、物陰から飛び出した。

 突然現れた第三者に二人組の神官は苛立ちの視線を飛ばしてきた。

 だが、ラミレスだけは即座に理解した。

「フィアーナ……いたんですか」
「へ?」
「聖女さま!?」

 ラミレスの言葉に二人組の神官は動揺した。

 フィアーナはそっと目深に被ったフードをうしろに下げた。

 艷やかな銀髪が現れる。

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癒やしの聖女は~
~桜猫*日和~