フィアーナとラミレス2

各話表紙:聖女 癒やしの聖女は~

「つい一週間前だって、お前はいきなり俺の目の前から消えた……」

 ラミレスの手がフィアーナのやわらかな頬に触れる。

 それは一介の神官としてではない、慈愛に満ちたものだ。

 至高の花を慈しむように、愛おしむようにやさしく触れる。

 いつだってそうだ。ラミレスは口ではなんと言おうと、フィアーナを乱暴に扱ったことなど一度もない。

「……っ」

 あまりにもやさしく触れてくるので、フィアーナは胸が切なくなる。

 このまま身も心も委ねてしまいたくなる。

 ラミレスはフィアーナの前髪を指でよけると、そっと唇を押し当てた。

 やわらかな唇は二度、三度と押し当てられたかと思うと、そのまま下に降りていく。

 鼻頭に。両頬に。そして、唇に。

 彼の唇が自分のそれに触れると、フィアーナは弾かれたようにラミレスの胸に手を置き、押し返す。

「だめ……」

 ラミレスの想いを知っているだけに、フィアーナは強く拒絶できない。

 言葉では否定しても、歯切れの悪さが残った。

「浄化だと思えばいい」

 戸惑うフィアーナの頬をラミレスの大きな手が包み込み、視線を捉える。

「でも……」
「フィアーナ……」

 その後に続く言葉はなかったが、ラミレスの熱い瞳が言外に告げる。好きだ、と。

 ドクン、と鼓動が跳ねる。もう視界にはラミレスしか映っていない。

 そうして二人の唇がふたたび重なった。

 想いを伝えるように、やわらかな唇がじんわりと押し当てられる。

(ラミレスの唇、すごく熱い……ああ、こんなのだめなのに……抵抗しなきゃいけないのに――)
「んん……」

 そっと唇を食まれると、フィアーナの喉の奥から小さな喘ぎが漏れた。

 幾度となく繰り返し歯を立てず、唇だけではむはむと食まれると心地よさが脳を甘く痺れさせる。

 自然と瞳が潤んだ。

「もっと、感じたいか?」
「……っ」

 唇を押し当てた状態でささやかれると、勝手に腰が疼いてしまった。

 違うと首を横に振ろうとしても、ラミレスの両手に包まれているのでできない。

「ゃ、やめ……」

 フィアーナがやめてと言おうとしたら、ラミレスの舌がフィアーナの薔薇色の唇をそっと舐めた。

「――っ」

 ぬるりとした舌の感触がゾクリとするほど心地よい。

 自分の意志に反してフィアーナの体が小さく震えた。

「体は素直に反応しているのに、お前の口は嘘つきだな。しばらく塞いでやる」
「だめ、ラミレス」
「やめてとダメは、もう聞き飽きた」

 下唇を甘噛みされ、軽く引っ張られると、フィアーナは自然と口を開けてしまう。

 そこにラミレスの肉厚の舌がするりと滑り込んできた。

「ん、ふ……っ」

 それでも必死で舌を引こうとしたら、舌先を軽く噛まれてしまった。

 フィアーナが一瞬怯んだところで、あっさりと舌を絡め取られてしまう。

 逃さないと言わんばかりだ。

 時折漏れる熱い吐息とともに、何度も何度も舌を絡められる。

 最初は軽く絡める程度だったのが、徐々にきつくなり舌の根元まで絡められた。

 少し息苦しさを感じるのに、熱く湿った舌を何度も丹念に愛撫されると、自然に体から力が抜けてしまう。

 フィアーナはもう抵抗すらできない。

 咥内の粘膜を満遍なく愛撫されると、快感から目の端に溜まった涙がつうとこぼれ落ちた。

 だがラミレスの愛撫はまだ終わらない。

 頬の内側から、上顎へ舌が滑るように移動する。

「んんんっ」

 舌先がそこを軽く掠めただけで、フィアーナの体がビクッと跳ねた。

 ラミレスの青い瞳がすうっと細くなる。

 フィアーナの感じる場所を見つけて嬉しいのか、ラミレスは執拗に上顎ばかりを攻めてくる。

 そのたびにフィアーナの白い喉から、なんとも艶めかしい嬌声が漏れた。

(いや! こんな……こんなの恥ずかしすぎる!)

 悔しさからラミレスを睨みつければ、なんとも嬉しそうに青い瞳が笑った。

 もっとお前の恥ずかしいさまが見たいと言っているようだ。

「……っ、ん……」

 さらにラミレスはフィアーナの咥内に唾液を流し込んでくる。

 フィアーナは焦ったが、これを飲み込まなければ口の端から溢れてしまう。

 だから彼女はラミレスの唾液をごくりと飲み込んだ。

 それから散々咥内を犯され、舌がくたくたになった頃、ようやく唇が解放された。

 

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癒やしの聖女は~
~桜猫*日和~