10/24:雑記更新 10/23~:更新再開「吸血鬼と不良神父の溺愛情事」10/22:祝☆完結「癒やしの聖女は神官に体を狙われています」

夜会5

各話表紙 偽りの公爵令嬢は~

「ルドヴィク、ティナーシェを守ってくれたこと感謝する」
「もったいないお言葉でございます」

 ルドヴィクと呼ばれた彼は、深々と頭を垂れた。

 が、その名を聞いた瞬間、ホール内がまたざわついた。

 カーティスは少しも動じることなく、帯刀した剣を鞘ごと手に取ると、ドンッと床を突いた。

 一瞬でホール内がしんと静まった。

「皆、聞いてほしい。今夜は嬉しい知らせが二つある」

 嬉しい知らせと聞いて、全員が耳を傾ける。

「一つ目は、ルドヴィクが生きていたことだ。彼は私が王位につく際それはもうよく尽くしてくれた。だが、私の未熟さ故にこの三年もの間、行方不明になっていた。その彼が五体満足で戻ってきた今、ヴァイスとともに大臣を任せようと思う。皆、賛同してくれるだろうか?」

 ヴァイスが拍手をしたのを皮切りに、いっきにホール中に拍手が響き渡る。

(このお爺さんは、そんなすごい人だったのね……でもわたしが助けたのはもっと別の人だったわ)

 カーティスが片手を挙げて制止すると、拍手がピタリと止まる。

「二つ目は、私の婚約者の紹介だ」

 予想外のことにホール内がわずかにざわついた。

 貴族の間ではカーティスはことごとく縁談を断っているイメージが強かったのだ。

「ティナーシェ、こっちにおいで」

 はじめてカーティスが可愛くて仕方ないといった表情を他人の前で見せたため、その場にいる誰もが息を呑んだ。

 ティナーシェはこくりと頷き、ルドヴィクのところからカーティスの隣に移動した。

「紹介しよう。私の婚約者、アッシュバーグ公爵家のティナーシェだ。彼女は行方不明になっていたルドヴィクをこちらに向かう道中で発見し、助けてくれた。そればかりか、刺客に襲われた私を身を挺して守ってくれた……私の命の恩人であり、この世で一番大切な女性だ。未熟な面もあるが、慈悲の心と大切なものを守ろうとする勇気を持っている。私はティナーシェが素晴らしい正妃になると信じている」

 カーティスの発言にルドヴィクが深く頷く。

「陛下のおっしゃるとおりでございます。今からティナーシェさまの将来が楽しみで仕方ありません。親子ともども精一杯お仕えいたします」

 これまで厳しい表情だったルドヴィクが満面の笑みを浮かべる。

 その横でヴァイスも嬉しそうに微笑んだ。

(え……親子?)

 ルドヴィクの発言にティナーシェは、彼とヴァイスを交互に見比べる。

 するとヴァイスがそういうことですと頷いた。

 それからヴァイスは心から二人を祝福する言葉を贈る。

「おめでとうございます、陛下! ティナーシェさま!」

 それからはもう、おめでとうコールの連発だ。

 一気にホール内が活気づき、熱狂する。

 祝福ムードになり、あちこちで乾杯の声とグラスを打ち付ける音が鳴り響く。

「これで君はもう、私の妻も同然だな」
「カーティスさま……」

 あふれんばかりの祝福の中、ティナーシェは喜びの涙を瞳に浮かべるのだった。

 

22+
↑読了ついでにポチッと(*´ω`*)桜猫にちゅ~るが贈られます。
↑読了ついでにポチッと(*´ω`*)桜猫にちゅ~るが贈られます。
偽りの公爵令嬢は~
~桜猫*日和~