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看病4

各話表紙 偽りの公爵令嬢は~

「ちょっと待ってください。自分で食べられますから、カーティスさまがここまでなさらなくても……」

 いくら責任を感じているとはいえ、国王にこんなことはさせられないと、ティナーシェは焦った。

「なぜだ。厨房の皆は私が食べさせると言ったら、喜んで送り出してくれたぞ」

 ティナーシェが寝たきりだった二日間、城内の者たちはカーティスのティナーシェへの態度を見て、勝手にティナーシェをカーティスの想い人だと勘違いしたのだ。

 密かに城内は今、二人を支援するブームが巻き起こっていた。

 そのことを知らないのは当人たちだけである。

「いえ、ですが、国王ともあろう御方にこんな……」
「ミルベリーとケーキは食べただろう」
「あれは、人前で拒否したらカーティスさまに恥をかかせると思ったから……」

「そんなことはどうでもいい。君の体は今、栄養を欲しがっている。諦めて口を開けろ」

「……わかりました。でも次からは自分で食べますから」

 カーティスが微塵も引くつもりがないとわかると、ティナーシェは可愛らしい口を開けた。

「仕方ない、それで手を打とう」

 どうやらカーティスは次も自分で食べさせるつもりだったらしい。

 それでもティナーシェがオートミールを食べると、嬉しそうに微笑んだ。

 はじめこそ恥じらっていたティナーシェだったが、空腹には抗えず完食してしまった。

「ごちそうさまでした。美味しかったです」
「……これが餌付けというものか。悪くない」

 それから暫く話したあとカーティスは部屋を出ていき、その日の夜は更けていった。

 翌朝。

「起きてるか、ティナーシェ」

 扉を叩く音がして、カーティスの声が聞こえた。

 しかし、こんな早朝になんの用だろう。

「どうぞお入りください、カーティスさま」

 ティナーシェが答えると、扉の向こうから現れたカーティスは、夜着のままだった。

 手には人肌に温めたお湯が入った木製の洗面器と、タオルを持っている。
 カーティスはティナーシェが寝ているベッドに近づくと、サイドテーブルに洗面器を置いた。

「おはよう、ティナーシェ。よく眠れたか?」

「おはようございます、カーティスさま。しっかり眠りました。体を拭くためのお湯とタオルを持ってきてくださったんですね、ありがとうございます」

 ティナーシェは自力で起き上がろうとしたが、右肩の傷が痛みベッドに逆戻りしてしまう。

 するとカーティスがそっと抱き起こしてくれた。

「すみません。あとは自分でやりますから」
「私に任せろ。そのために来たんだからな」

(そのためにって……わたしの体を拭くために……? ということは王さまに肌を晒すってことよね……だ、ダメよ! そんなの恥ずかしすぎる!)

 状況を察したティナーシェの頬がぱあっと薔薇色に染まる。

 カーティスはすでにタオルを絞り、いつでも拭ける状態だ。

「ま、待ってください! 自分でできますからっ! カーティスさまにそんなことさせられません! 侍女のエリザさんを呼んでください!」

「私に拭かれるのが嫌なのか? そのエリザに私がやるといったら、喜んで準備してくれたぞ」

「そ、そんな! って、ダメですって……」

 カーティスは恥じらうティナーシェの手を取ると、袖をめくり手首から肘までを拭きはじめた。

「そんなに警戒するな。手足と背中だけだ……」

 そう話すカーティスだが、ティナーシェの目に眩しいほど白い肌を見て息を呑んだ。

 本来の肌の色もあるだろうが、透き通るような綺麗な肌をしている。

「カーティスさま?」
「いや、なんでもない」

 カーティスは言葉通り、ティナーシェの両腕を拭き終わると、両足も足の付根まで丁寧に拭いてくれた。

「普段はドレスに隠れていてわからなかったが、こんなに細くて小さかったんだな、君は……どうりで抱き上げても軽いわけだ」

「そ、それはわたしが貧弱だとおっしゃりたいのですか?」

 お世辞にも豊満とはいい難い自分の体に、ティナーシェはほんの少しだけコンプレックスを持っている。

「いいや……私とはぜんぜん違うと思ってな。背中を拭くぞ。胸を見られたくなかったら壁を向いて、上着を脱いでくれ」

「……どうしても、ですか? 無理に拭かなくても、あとでエリザさんに……」

「却下だ。君の身体状況を確認しておきたい」
「……そういう、ことでしたら……」

 

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偽りの公爵令嬢は~
~桜猫*日和~