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エピローグ

各話表紙 偽りの公爵令嬢は~


◆エピローグ

 ――夜会から数日後。

「びっくりしました。まさかあのとき助けたのが、ルドヴィクさまだったなんて」

 ティナーシェは側に控えるルドヴィクを見つめながら告げた。

 あのとき、というのは、ティナーシェがザールワース国に来る途中の出来事だ。

 突然馬車が止まり、降りてみれば、みすぼらしい老人がいて、気の毒に思ったティナーシェは彼を助けた。

 そのとき助けた老人がルドヴィクだったのだ。

「驚かれるのも無理はありません。当時私はこれまでの記憶を失っていたのです。あなたの温かな施しを受けてから一週間後、急にすべての記憶を思い出し、この城に帰ってきたというわけです」

「そうだったんですね……ずっとあのあとどうなっているか気になっていたので、こうして元気な姿を見られて嬉しいです」

 ティナーシェが微笑むと、ルドヴィクも皺くちゃの顔をさらに皺くちゃにして微笑んだ。

「今でも思い出します……あのときのティナーシェさまは、本当に女神のように神々しく、美しかった――あと三十年遅く生まれていれば、私の妻にほしかったくらいです」

「三十年後だろうが先だろうが、ティナーシェは私のものだ。お前にはやらん」

 ティナーシェの隣りに座っていたカーティスが胴に腕を回したかと思うと、強引に抱き寄せられた。

「陛下、ティナーシェさまの勉強の邪魔をしないでいただけますかな?」

 そうなのだ。

 実は今、ティナーシェはルドヴィクと語学の勉強中なのだ。

 ティナーシェの希望で別邸の一室で学んでいる。

「うるさい、ルドヴィク。仕事は全部片付けてきたし、ティナーシェといちゃつくのは私の特権だ」

「陛下はティナーシェさまに構いすぎです。あの聡明だった陛下が、一人の女性にここまでべた惚れになるとは――」

「そうですよ、陛下。たまにはティナーシェさまに一人の時間を差し上げないと、飽きられますよ?」

 そう続けるのは、ルドヴィクの隣りにいたヴァイスだ。

 ヴァイスのいうことも、もっともである。

 なにしろカーティスは自分が空いている時間をすべてティナーシェにつぎ込んでいるのだ。

 ティナーシェの愛ゆえに通常の半分の時間で政務をこなし、それ以外の時間はこうして彼女にべったりなのだ。

「本当にお前ら親子は口うるさいな。やることはやっているのだから問題なかろう」

 さらにカーティスに強く抱きしめられるティナーシェ。

(カーティスさま、そんなに強く抱きしめられたら苦しいです……)

「カーティスさま、もう少しだけ我慢してください。勉強が終わったら、いっぱいいちゃつきますから」

 ティナーシェがなんとか口を開くと、カーティスの瞳が輝いた。

「それは朝まで抱いてもいいということか?」
「へ? そ、それは、ちょっと……」
「いや、抱く。むしろ抱かない理由がない」

 冗談のように聞こえるが、カーティスは真剣そのものだ。

「陛下は色ボケしてしまわれたか……」

「一途なのはいいのですが。父上、なんとかしないとティナーシェさまに逃げられてしまうのでは」

(むしろ今逃げたいです……)

 自分はもしかして、とんでもない人の婚約者になってしまったのではと、ティナーシェは力なく笑った。

 二人が新たな命を育むのも時間の問題かもしれない。

 

 

 ―了―

 

‥……‥**◆**‥……‥

というわけで本編終了です。ここまでお付き合いいただきありがとうございました~!
ティナーシェとカーティスのこんな話が読みたい!
などありましたら、お問い合わせよりどうぞ!(*´ω`*)あ、感想なんかもいただけたら嬉しいです(笑)

 

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偽りの公爵令嬢は~
~桜猫*日和~