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ダンスの手ほどき5

各話表紙 偽りの公爵令嬢は~

「悪いがもう我慢できない」

 言い終わると同時に熱い唇が重なった。

 火照っている自分よりずっと熱いカーティスの唇に、ティナーシェは一瞬体を震わせた。

 そして、そのままゆっくりと瞳を閉じる。

 余程焦れていたのか、すぐに唇を割って肉厚の舌がティナーシェの小さな咥内に入ってきた。

(王さまの舌が……なんて、熱いの……)

 カーティスの熱い舌は、ティナーシェの存在を確かめるように何度も咥内を這い、それから上顎に触れた。

「んんぅ……っ……」

 くすぐったいような快感にティナーシェの喉から、艶めいた声が漏れる。

 意図したわけではないのに、こんな恥ずかしい声が出てしまい、泣きたくなった。

 だがそれに興奮したらしいカーティスの口づけはさらに激しさを増した。

 咥内を丹念に舐め回され、舌をきつく絡められる。

 しかもそれが心地よくて、ティナーシェの体からすっかり力が抜け落ちてしまった。

 深すぎる口づけに息苦しさを感じつつも、カーティスの熱い想いが伝わってきて、その心地よさに頭がくらくらする。

 足に力が入らず、崩れ落ちそうになったとき、カーティスが腰に手を回し抱き寄せた。

「ティナーシェ、好きだ」

 角度を変えて何度も口づける間に、カーティスの口から本音がこぼれる。

 一通りティナーシェの咥内を味わい落ち着いたのか、先ほどとはうって変わってついばむようなやさしいキスが繰り返される。

 先程の激しいキスですっかり頭の芯まで蕩けてしまったティナーシェは、うっとりとした表情だ。

 快感に浸るティナーシェは少女でありながら、カーティスがゾクリとするほど妖艶だ。

「参ったな……これ以上すると、歯止めが利かなくなるか」

 名残惜しそうにティナーシェを見つめていたカーティスだったが、渋々顔を離した。

 カーティスの熱が離れたと思うと、急に肌寒さを感じたティナーシェは、残念で強請るような表情をした。

 おそらく無意識なのだろう。

「君を捉えたつもりだったが、私が捉えられたのかもしれないな」

 満更でもなさそうにカーティスは呟いた。

「……?」

 ぼうっとする頭でティナーシェはカーティスの言葉に疑問を覚える。

(王さまに心を捉えられたのは、わたしのほうなのに)

 それからティナーシェが完全に我に返るまで数分を要した。

(どどど、どうしよう!? 王さまとキスしてしまった! 死んでお詫びしたい! 恥ずかしすぎる……!)

「どうした、ティナーシェ。さっきから赤くなったり青くなったり忙しいな?」
「はいっ、いえ、あの…………っ」

 カーティスの顔を見たとたん、これまでにないくらいティナーシェの顔が赤くなった。

「私の想いには薄々気づいていただろう? なにをそんなに照れる?」
「だ、だって大好きなカーティスさまにキスされてしまったから!」

 どさくさに紛れて告白してしまったことにティナーシェは気づかない。

「なにか問題があるのか? 双方合意だろう」
「……それは、そうですが……」

 それから少し思い悩んでティナーシェは、はたと気づいた。

「そうか、わたしは遊びなんですね。国王ともあろう御方が、元侍女のわたしなんてまともに相手にするはずがないもの」

(なんて馬鹿なのわたし。こんな単純なことにも気づかないなんて。だって王さまは言ってたもの。もみ消すことができる地位も権力もあるって……)

 そう呟いたとたんカーティスが明らかに不服そうに眉をしかめた。

「君は私が誰にでも手を出す節操なしだと思っているのか?」

「でもカーティスさまは国王ですし、側室もたくさん持たれるでしょうから、わたしなんて物の数にも入りません」

「君は馬鹿か? 私は決して暇ではない。君に家庭教師をつけたのも単なる善意からではない。どうでもいい女に手間隙かける時間はないからな」

 カーティスの発言にティナーシェは首をかしげる。

 一体彼はなにが言いたいのだろう。

「もう少し後で言おうと思っていたが、この際だから言っておく。私が君をここに連れて戻ったのは、正妃にするためだ」

「…………は?」

 あまりにも自分と縁遠い単語が聞こえて、ティナーシェは固まってしまった。

「私は君を正妃にするし、生涯正妃だけを愛しぬく。側室などもたん、以上だ」

「えええええええーっ!?」

 ザールワースの王の別邸に、ティナーシェの魂の叫びがこだました。

 

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偽りの公爵令嬢は~
~桜猫*日和~