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暴かれた秘密4

各話表紙 偽りの公爵令嬢は~

「さあ、この薬湯をお飲みください。疲労回復とリラックスの効果があります」

 なおもカーティスを無視して話し続けるヴァイスである。

「ありがとう、ございます……」

 差し出された薬湯を受け取り、ティナーシェは礼を述べた。

 お茶のような色合いをしていて、日なたのやさしい香りがする。

 一口すすると少し苦味が強かったが、飲み干せないほどではない。

 ティナーシェはゆっくりと薬湯を飲んだ。

 体の中からポカポカしてきて元気が湧いてくるような気がする。

 ティナーシェが薬湯をすべて飲み終えると、ヴァイスがからのコップを受け取り近くのテーブルの上に置いた。

 カーティスとヴァイスが視線を合わせ、お互い頷く。

 それからカーティスが次のように告げる。

「さて、ティナーシェ。起きたばかりで悪いが、作戦会議に入りたい」
「え?」

 いきなり作戦会議といわれても、ティナーシェにはピンとこない。

「言っただろう? 姫君に灸をすえてやると」
「え!? でっ、でも……っ」

「調査の結果、ティナーシェさまがブレイユ国の姫君を気遣う必要はないかと。人質を盾に清らかな心を持つ乙女を刺客として送り込むなど、王女の風上にも置けません。自分の手を汚さず高みの見物とはいいご身分です。下手を打てば国交問題にも発展しかねません。多少痛い目を見てもらいませんと、わが国としても納得いかない……と陛下はおっしゃっているのです」

「たまにはいいフォローをするな、ヴァイス」
「たまには、は余計です。俺のフォローは常に完璧です」

 カーティスの言葉にきっぱりと言い切るヴァイスである。

(ヴァイスさんて本当に王さまに対して遠慮なく言うのね……それだけ仲がいいってことかしら?)

 ティナーシェは二人を交互に見比べてしまう。それに気づいたカーティスが顔を覗き込む。

「どうかしたか?」
「ひゃっ! ……な、なんでもないです」

 いきなり綺麗な顔が間近に迫り、ティナーシェは一瞬心臓が止まりかけた気がした。

 好きな相手の急な度アップは心臓に悪い。

「まあ、そいうわけなんでな。君にも少し協力してもらいたい」
「わかりました、わたしでお役に立てるなら」

(暗殺に失敗した今、ラーダはもう助からない。それなら、少しでも報いを与えたい……少しでも無念を晴らして、そしたらわたしも――)

 ティナーシェは肚をくくった。

 初めて彼女の瞳に強い光が宿った瞬間だった。

「いい面構えになったな。よし、ヴァイス、鋏をもってこい」
「承知しました」

 ヴァイスは返事をするとすぐに鋏を取りに行く。

 一方、なにも聞かされていないティナーシェは頭の中にはてなマークが浮かぶ。

「カーティスさま、なにをなさるおつもりですか?」
「それはだな――」

 ティナーシェの問いかけに、カーティスは弾む声で今後の計画を語った。

 一通り説明を受けたティナーシェは、そわそわして心が落ち着かない。

 しかしこのとき、ティナーシェにだけ語られていないことが一つだけあったことを彼女は知らない。

 それはブレイユ国で明らかになるのだ。

 

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偽りの公爵令嬢は~
~桜猫*日和~