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暴かれた秘密

各話表紙 偽りの公爵令嬢は~

◆暴かれた秘密

 先程から光が顔に当たっているようで、なんとなく眩しい。

 もう少し眠っていたいと思いつつ、ティナーシェはゆっくりと瞳を開けた。

 視界に広がるのは見覚えのない天井だった。

 ここに来てから見た中ではもっとも豪華な天井だ。

 真ん中に宗教画のような物が描かれ、それ以外は程よく品の良い金の装飾で飾られている。

「あれ……?」

 ぼんやりとした意識の中、頭を動かすと隣に誰かいる。

 目の前に見えるのはどうやら男性の腰辺りらしい。

 白い夜着に金糸の刺繍が入っている。

 そのまま視線を上に移動すると、そこには見慣れた王の顔があった。

 つまりベッドで上体を起こした王が隣りにいるのだ。

「おはよう、ティナーシェ。よく眠れたか?」
「カーティスさま……?」

「どうやら君は、泣きつかれて寝てしまったようだ。床で寝かせるわけにいかないから、私の隣に移動させた」

「え……ええええ!?」

 急激に昨日の記憶が蘇り、ティナーシェはあられもない声を上げた。

 泣きつかれて王のベッドに寄りかかったところまでの記憶は残っていた。

「はは、割と元気だな。さて、なにから話そうか」

 暢気に話すカーティスとは逆に、ティナーシェの顔は一気に青ざめる。

 それとなく触れた左腕には銀のナイフも、それを装備するためのナイフホルダーもついていなかったのだ。

 慌てて飛び起き、体中を弄ってみるがどこにも見当たらない。

「君が探しているものはコレか?」

 カーティスはティナーシェの目の前に、すっと銀のナイフを差し出す。

 まさに彼女が探しているものだった。

 なぜカーティスが所持しているのかと、驚きを隠せない。

「……!?」
「そう驚くことはない。君では私を殺せない。というか、君には人は殺せない。素直で優しすぎる」

「な、にを……」
(なにを言っているの? どうして王さまがこんなことを言うの?)

 カーティスは特に怒るでもなく、責めるでもなく、いつもどおりだ。

 だからティナーシェはますます混乱する。

「昨日の私は隙だらけだっただろう? 殺すチャンスは何十回とあったはずだ」

 確かにカーティスの言うとおりだ。

 あえて二人でいる時間を多く取り、無防備だった気がする。

 就寝時など殺してくれと言わんばかりの状況だった。

「だが君にこういったことは不向きだ。慣れないことをするからボロがでる。私を暗殺したいなら、手練の者をよこさなくては無理だ」

 カーティスは銀のナイフを弄びながら告げる。

 その巧みなナイフ捌きに目を奪われていたティナーシェの喉元に、ピタリと切っ先が当てられた。

「でないと返り討ちにあうことになる」
「……っ!」

 ひんやりとしたナイフの感触に身が竦む。

 ドクドクと心臓が脈打ち呼吸が浅くなる。

 このまま自分は殺されてしまうのだろうか。

「……なんてな。冗談だ。君を傷つけるつもりはない。まさかこんな無垢な娘が刺客だとは」

 カーティスは笑いながらナイフを鞘にしまった。

「……知って、らしたん、ですか?」

 驚きに目を見張りながらおずおずとティナーシェが問うと、カーティスはこくりと頷いた。

「うすうす、な。なにしろ君は初日から不自然だった。ブレイユ国の王女からもらった手紙と内容が異なるし、葡萄酒一杯で酔いつぶれる」

「そ、それのなにが不自然なんですかっ」

 初日の失態を思い出し、恥ずかしくなったティナーシェは思わず声を荒げてしまった。

「王女からの手紙では君はミルベリーが大好きだと書いてあったが、実際は酸っぱいものが苦手だった。きちんとした令嬢なら自分の酒の量くらい把握している。あの程度で酔いつぶれるということは、普段から嗜んでいないということだ」

「う……」

 ズバリ言い当てられティナーシェは言葉に詰まる。

 

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偽りの公爵令嬢は~
~桜猫*日和~